»
挫
「挫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
挫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
頭は、ほとんど岩石のように丈夫そうである。彼は昔ある対校試合に、左の臂《ひじ》を
挫《くじ》きながら、五人までも敵を投げた事があった。――そういう往年の豪傑《ごう....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《そうじょう》も、現人神《あらひとがみ》のような摩利信乃法師に、胆《きも》を御|
挫《くじ》かれになったのでございましょう。供養の庭はしばらくの間、竜舟《りゅうし....
「彼」より 著者:芥川竜之介
に取り合わなかった。のみならず時々は先手《せんて》を打ってKの鋒先《ほこさき》を
挫《くじ》きなどした。
「革命とはつまり社会的なメンスツラチオンと云うことだね。....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
すくい上げました。私を囲んでいた友人たちは、これだけでも、もう荒胆《あらぎも》を
挫《ひし》がれたのでしょう。皆顔を見合せながらうっかり側へ寄って火傷《やけど》で....
「竜」より 著者:芥川竜之介
くだ》すように答えました。これにはさすがに片意地な恵門も、少しは鋒《ほこさき》を
挫かれたのか、眩《まぶ》しそうな瞬《またた》きを一つすると、『ははあ、そのような....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うす》は見えなかった。
が、その内に素戔嗚と争ったものは、手を折られたり、足を
挫《くじ》かれたりして、だんだん浮き足が立つようになった。そうしてとうとうしまい....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
う云う砲撃の中に機《き》を待ちながら、やはり平生の元気を失わなかった。また恐怖に
挫《ひし》がれないためには、出来るだけ陽気に振舞《ふるま》うほか、仕様のない事も....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
投げた、けたたましい水音が、宵闇を破って聞えたそうです。これに荒胆《あらぎも》を
挫がれた新蔵は、もう五分とその場に居たたまれず、捨台辞《すてぜりふ》を残すのもそ....
「星座」より 著者:有島武郎
いてきているような一種の心の圧迫を感じ始めているのは明かだった。自分の研究に一頓
挫《いちとんざ》が来そうな気持がしだいに深まっていった。
園は父の手紙をわざと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
慢ならねえ。酒井さんのお嬢さん、私がこうやっている処を、ここへ来て、こン唐人|打
挫いておやんなせえ、お打ちなせえ、お打ちなせえ。 どうしてまたこんな処へ。……....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
「そうだ、そうだ。いい事をした。――畜生、もう一度出て見やがれ。あたまの皿ア打
挫いて、欠片にバタをつけて一口だい。」 丸太棒を抜いて取り、引きそばめて、石段....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
奴が、鞭を振って追廻す――爪立つ、走る、緋の、白の、股、向脛を、刎上げ、薙伏せ、
挫ぐばかりに狩立てる。 「きゃッ。」 「わッ。」 と呼ぶ声、叫ぶ声、女どもの形....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
萎えたように解いて、色っぽくはだけた褄と、男の空脛が二本、少し離れて、名所の石に
挫げました。 溜息吐いてる、草の茂を、ばさり、がさがさと、つい、そこに黒く湧い....
「活人形」より 著者:泉鏡花
さる、頂戴しろ。これッ、人が物を言うに返事もしないか。と声荒らかに呼わりて、掴み
挫がん有様に、お藤は霜枯の虫の音にて、「あれ、御堪忍なさいまし。「何も謝罪る事ア....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
無限の興味を覚える。 海軍の無能によってナポレオンの計画は実行一歩手前に於て頓
挫し、英国は墺、露を誘引して背後を覘わしめた。ナポレオンは一八〇五年八月遂に英国....