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振られる
「振られる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
振られるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
って行こうとする年とった寺男、閼伽桶《あかおけ》と樒《しきみ》の葉、子供等の手に
振られる赤い紙に巻かれた線香の煙、何一つとして岸本の沈思を誘わないものは無かった....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
しいぞ。市川流の返事は舞台だけの売り物じゃ。もそっと二枚目の返事をせんと、奥州に
振られるぞ。さきほどのおししは、十万石位のおししだったのう」 「あんなことを! ....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
移る時、左程でもないが、帰りの場合、葉子に足を掴まれて、逆様に吊された儘、大きく
振られると、記憶とか思考とか、そういった精神的能力は、悉く振り棄てられて仕舞うの....
「旅愁」より 著者:横光利一
やがて動員令が出た。新しく編成された軍隊の動きが活溌になっていくにつれて、炎天に
振られる旗の数が街から街へ急激に増して来た。わけても赤十字の動きが鮮やかに眼につ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
だから苦界と云うので、察して気を長くお出でなさいよ」 又「成程是まで度々参っても
振られる故、屋敷へ帰っても同役の者が…それ見やれ、迚も無駄じゃ、詰らぬから止せと....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
構、失礼で安心した。しかし、一言でそうむきになって、腰のものを振廻すなよ。だから
振られるんだ、遊女持てのしない小道具だ。淀屋か何か知らないが、黒の合羽張の両提の....
「二つの家を繋ぐ回想」より 著者:宮本百合子
顔をして 「ああ困ったことだ。家庭の平和をすっかり攪乱する」 と、大きい暖い頭を
振られる。 自分は、悲しみで爆発してしまいたい心持がした。私は皆が可愛いのだ。....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
には、何か汚ならしい埃まみれのもののような気がし、ひとたばのぼろ布を顔の前で打ち
振られるような気がする。 少なくともその男たちは私を憐れんでくれる。その男たち....
「お月様の唄」より 著者:豊島与志雄
ゆかれました。森の入口で待っていた老女が何かたずねても、王子はただ悲しそうに頭を
振られるのみでした。 王子は考えられました。なぜ千草姫は出て来てくれないのであ....
「闘牛」より 著者:野上豊一郎
を馬ごと突き倒しながら、第二の突きを入れる前に、駆け寄って来たテュロに赤い合羽を
振られると、その方へ気を取られ、すぐその合羽の方へ突っかかって行く。それも人を突....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
ことをよく知っているんです。……ところが、どういうものか、先生は、たいへんに悪党
振られる。すっかり悪徒気取りで、去年の三月には、国立割引銀行《デスコント・ナショ....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
ん? 何か追いかけられているんじやない? 用心した方がいいわ。そう言つといてよ。
振られるには振られたけど、こいでやつぱし私はまだあの人を好きなんだわねえ。アアア....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
たので、貰わぬ者まで自分で染めて黒縮緬の羽織を着たという、誠に華美なことで。昔は
振られるのを悦ぶのが流行りましたものですが、今なら何のくらい怒るか知れません。悪....