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「振り振り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

振り振りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おしの」より 著者:芥川竜之介
色を漲《みなぎ》らせた。神父は何も知らぬ女の顔へ鋭い眼を見据《みす》えると、首を振り振りたしなめ出した。 「お気をつけなさい。観音《かんのん》、釈迦《しゃか》八....
将軍」より 著者:芥川竜之介
おんてき》退散《たいさん》。第×聯隊万歳! 万歳! 万々歳!」 彼は片手に銃を振り振り、彼の目の前に闇を破った、手擲弾の爆発にも頓着《とんちゃく》せず、続けざ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
けに澪《みお》に流されたら、十中八九は助からないんだよ。」 Hは弓の折れの杖を振り振り、いろいろ澪の話をした。大きい澪は渚から一里半も沖へついている、――そん....
断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
家になってからは、一木一草、私にとって眼あたらしく思えるのだった。海岸をステッキ振り振り散歩すれば、海も、雲も、船も、なんだかひと癖ありげに見えて胸がおどるのだ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、郊外に大きい分離派かなんかの文化住宅を、お建てなさいよウ」紅子が、ボッブの頭を振り振り云った。 「洋館だね、いいなア、僕の部屋も拵えてくれるといいなア」素六は....
赤外線男」より 著者:海野十三
御一緒に参りましょう」 「ええ、いくわ」 ダリアは、まだ繃帯のとれぬ大きな頭を振り振り奥に引きかえしたが、直ぐコートと帽子とを持ってあらわれた。 「さあ、お伴....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
てあらわれたのだ。どっちだ? どっちが本当のマヌエラかと、座間は白痴のように頭を振り振り廊下へでていった。 と出会いがしらに、ドドの手を引いてカークがやってき....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
かれていた。驢馬は小さい胴体や、短かい四本の脚に似合わず、大きい頭を、苦るしげに振り振り、六頭が、六頭とも汗だくだくとなっていた。そのちぢれたような汚れた毛から....
浮動する地価」より 著者:黒島伝治
た。赤ン坊は死んでいたのだ。 一カ月の後、彼女は、別の、色の生白い、ステッキを振り振り歩く手薄な男につれられて、優しく低く、何事かを囁きながら、S町への大通り....
天馬」より 著者:金史良
意地悪く追いかけ始めた。逃げ足だっている彼女は一度振り返って見たとたんに、両手を振り振りやって来る玄竜に一層魂消て悲鳴を上げんばかりになりつつ走って行った。彼は....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
な、つんつるてんの、裾のまき上った手織縞か何かで陰気な顔を、がっくりがっくりと、振り振り、(ぴい、ぷう。)と笛を吹いて、杖を突張って流して歩行きますと、御存じの....
瘤とり」より 著者:楠山正雄
んはうれしくってたまらないので、早くおばあさんに見せてよろこばしてやろうと、首を振り振り、急いでうちまで駆けて帰りました。 おばあさんは、おじいさんの瘤がきれ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
人切った心身の疲労、尋常一様のものではない。のみならず敵を追い二町の耕地を、刀を振り振り走って来た。その疲労とて一通りではない。主水は疲労に疲労ていた。そのあげ....
愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
の方から、一人の憂鬱な皺を額に刻んだ頑丈そうな六十近い年頃の紳士が太いステッキを振り振り婦人の傍へツカツカと寄って、一言二言囁いたと思うと、一緒にさっさと歩き出....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
「どうしたんだい。もう夕飯だよ。」 「あっはっはっ。失敬。」と、眼を細めて、首を振り振り、坐ると、また、「やああ。」と肩をゆすった。 「お洒落だなあ。いつまで面....