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振仰ぐ
「振仰ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
振仰ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、 「居てよ、二階に。」(おいでなさいな。)を色で云って、臈たく生垣から、二階を
振仰ぐ。 主税はたちまち思いついたように、 「お嬢さん、」と云うや否や、蝙蝠傘....
「死のなかの風景」より 著者:原民喜
るのか直《す》ぐにわかった。人々の後について、人々の行く方へ歩いて行った。人々が
振仰ぐ方向に視線を向けると、丘の上の樹木の梢《こずえ》の青空の奥に、小さな銀色の....
「杉子」より 著者:宮本百合子
。 防衛するようにその肩を捩ろうとしたとき、 「杉ちゃん」 ひょいと出た顔を
振仰ぐと、杉子は覚えず、 「まあ」 と声を出した。 「びっくりしたね。どうも杉子....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けたようでもある。 「うむ――」 米友は髑髏を洗う手を休めないで、声のした方を
振仰ぐと、二間とはない川幅のつい向う岸に人が一人立っている。 「関の藤川というの....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
さえ、よぎりもしない。 すると、ぼくらの頭の上で、ふと少女たちの笑う声がした。
振仰ぐと、山家の少女と、お寺の娘さんたちでもあろうか、高い観音さまの台座からその....