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「振幅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

振幅の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
あわれみは、殆んどいきどおりに近いまでに高まったのだ。 あわれみと反撥――その振幅の間には中間はなかった。いわば木崎は誇張的にしか女の肉体が考えられなかったの....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ちょうど、あの獣的な亢奮のために、狂い出したように動き続けていた針が、だんだんに振幅を狭めてきて、最後にぴたりとまっすぐに停まってしまったようなものだった。する....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ししているわけだった。衝動的にしか物ごとが考えられず、従って行動出来ず、自尊心の振幅が彼を動かしていたわけであった。 多鶴子はそんな豹一の表情を見ると、いきな....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
けてしまった。 計量針が、ピ、ピ、ピッと大きく揺れはじめる。そして見る見るその振幅が小さくなって、神経質に震えながら――チッと止まる。 七一・四八〇|瓩! ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ん。それがあるので、動揺しながらも、しだいにその方向が決定されてゆく。つまりその振幅が、低下してゆく右の方向へ大きくなるのが当然じゃないか。さらにまた、もう一案....
落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
のとき見たことで、私はすっかり狼狽し、驚かされた。振子の振動は一ヤード近くもその振幅を増しているのだ。当然の結果として、その速度もまた大きくなっていた。しかし、....
青春論」より 著者:坂口安吾
法ではあったけれども、それ故また、剣を棄てて他に道をひらくだけの芸がなく、生活の振幅がなかった。都甲太兵衛は家老になって、一夜に庭をつくる放れ業を演じているが、....
理想の女」より 著者:坂口安吾
、思想する人と、小説する戯作者と二人の合作になるもので、戯作の広さ深さ、戯作性の振幅によつて、思想自体が発育伸展する性質のものである。 明治末期の自然派の文学....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
で一瞬にすぎない時間が、彼らの心理の上では彼らの一日の思考よりも更に多くの思考の振幅があるのであった。大きな横綱が投げとばされて、投げにかけられる一瞬前に、彼の....
握った手」より 著者:坂口安吾
て人の心も解ける道理だから。むしろその土台たる彼女自身は普通人の心理一般を最大の振幅に於て蔵しているのかも知れない。 「もしも女一般が握られた手を握り返すものな....
呉清源」より 著者:坂口安吾
機械の如く、鬼の如く、非人間的に処理はできない。否、その自らの内奥に於て、最大の振幅に於て、苦闘、混乱せざるを得ないのである。むしろ彼らの魂が完全な鬼の魂である....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
しかし、レースをたのしむ者の身にしてみると、抜かれたり、抜きかえしたりの力、あの振幅の限度にみなぎる力の大きさ、美しさに目を奪われるのである。箱庭式のタイム派か....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
でもなく、生命は二つのようでもあるが必ずしもそうではない。 そうなると、時計の振幅がだんだんに狭められてゆくように、逢痴に対する愛着も、つまるところは、自分自....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
とだ。 常人と狂人の差は程度の問題だといわれているが、職業上個人の思考や行為の振幅が常態以上に大きいことを必要とする立場の人たちは、職業上の立場と個人の立場が....