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「振舞酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

振舞酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
犬の遠吠え……そんな夜更けの町の寂しさに、ふと郷愁を感じ、兄よ、わりゃ死んだナ。振舞酒の酔いも手伝って、いきなり引き返えし、坂道を降りて道頓堀へ出ると、足は芝居....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
くの者は、酒を飲んだ後の勇ましい元気で、 「毎日続こうとも結構じゃ。明日もまたお振舞酒に思い切り酔うことができる」と、勇み立った。 その翌日は、昨日と等しく、....
行人」より 著者:夏目漱石
い募《つの》った。 自分は彼がもと書生であった頃、ある正月の宵《よい》どこかで振舞酒《ふるまいざけ》を浴びて帰って来て、父の前へ長さ三寸ばかりの赤い蟹《かに》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ごかき》はそれと見て立ちすくみ、 「誰だ、誰だいッ、ふ、ふざけたまねをするない」振舞酒《ふるまいざけ》の余勢で巻舌《まきじた》をつかってみましたが、からきり物に....
鬼涙村」より 著者:牧野信一
「どうでしょうね。代金のことは切り出すわけにはゆかないもんでしょうかな。まさか振舞酒で差引こうって肚じゃないでしょうね。」 御面師がそっと私に囁いた。 「そ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
う者があると即刻に破門しかねまじき勢いであった。神事能の時など楽屋内で神社からの振舞酒を飲んで大きな声を出す者なぞがあると、誰にも断らずにサッサと杖を突張って帰....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ないが、隙《ひま》があれば酒を飲みたがり、その酒は地酒でも、悪酒でも、焼酎でも、振舞酒でも、自腹でもなんでもかまわず、飲ませる者があり、飲む機会さえあれば、かぶ....
この握りめし」より 著者:岸田国士
れはそうと、増田健次巡査は、着任以来なかなか評判がよく、以前の駐在は威張りん坊で振舞酒が利くというので、まず一般からは敬遠されるかたちだつたのを、彼は、若いのに....
」より 著者:岡本綺堂
その往来のまん中で二匹の牛が暴れ出したのだから、実におお騒動。肝腎の牛方は方々の振舞酒に酔っ払って、みんなふらふらしているのだから何の役にも立たない。火消たちも....
放浪」より 著者:織田作之助
犬の遠吠え……そんな夜更けの町の寂しさに、ふと郷愁を感じ、兄よ、わりゃ死んだナ。振舞酒の酔いも手伝って、いきなり引き返えし、坂道を降りて道頓堀へ出ると、足は芝居....
」より 著者:永井荷風
称《とな》えるもの、お札《ふだ》を頂くものさえあったが、母上は出入のもの一同に、振舞酒《ふるまいざけ》の用意をするようにと、こまこま云付けて居られた。 私は時....