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挺身
「挺身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
挺身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
中なる神に相逢うといった。 思えば思うほどひとり壁立|万仭《ばんじん》の高さに
挺身《ていしん》して行こうとする娘の健気《けなげ》な姿が空中でまぼろしと浮び、娘....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
その時であった。洞窟の中から走り出て来た五、六人の石工は、市九郎の危急を見ると、
挺身して彼を庇《かば》いながら「了海様をなんとするのじゃ」と、実之助を咎めた。彼....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
動の群衆の中に、奇怪なる人造人間《ロボット》が多数|交《まじ》っていて、いずれも
挺身《ていしん》、破壊《はかい》に従事したということです。次に命令です。失礼なが....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
か、よそで別の仕事をやっていらっしゃるのですね」と。 然り、わが二十三名生存の
挺身隊も、東京在住者は十二名。十一名は地方に在り。
挺身隊がこれである。况んや他の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
。 「知らない? 本当か。……とにかく僕は見て来る……」 大隅学士は勇敢にも、
挺身して本館に向った。岩蔵は愕いて、学士を呼びかえすために両手をさしのばしたが、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
に持ち、新興芸術を通して、それを培う巴里の土地に親しんだむす子は、東洋の芸術家の
挺身隊を一人で引受けたような決心の意気に燃えて、この芸術都市の芸術社会に深く喰い....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
佐が隊列を検閲すると、肝心の河原林少尉の姿が見えない。最後の激戦の時、刀を揮って
挺身する姿を見たから、或は敵手に陥ったのではないかとの事に、乃木少佐は驚いた。軍....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
でもない。 そうだ。故国一朝有事の際の、破天荒な電撃――。一隻の潜水艦、十人の
挺身隊。もし覗き穴さえわかれば、それで事足りるではないか。油層下からの処置で、油....
「巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
い。いっそやるなら、ここまで踏み入ることです。おまえは、うちの家族のことを芸術の
挺身隊と言ったが、今こそ首肯する。 私は、巴里から帰って来ておまえのことを話し....
「特攻隊に捧ぐ」より 著者:坂口安吾
ため人のためにささげられたいのちに対して。先ごろ浅草の本願寺だかで浮浪者の救護に
挺身し、浮浪者の敬慕を一身にあつめて救護所の所長におされていた学生が発疹チフスの....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
乱闘現場の情景を目撃してゐた一人、大和農産工業津田氏(仮名)は重傷に屈せず検挙に
挺身した同署員の奮闘ぶりを次のやうに語つた。 ――場所は梅田新道の電車道から少し....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
代政治界の第一人者であった。不義を憎む事|蛇蝎よりも甚だしく、悪政暴吏に対しては
挺身|搏闘して滅ぼさざれば止まなかった沼南は孤高清節を全うした一代の潔士でもあり....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
学界の一部は幾分自ら進んで自由を狭め、真理の探究を投げ打って、そうした精神統制に
挺身追随したように見えたが、中でも国文学界は挙げて時潮に狂奔するもののような疑い....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ペン鳥万歳。」 「万歳。」 「異変ないか。」 「無し。」 よしと、先駆の海獣、
挺身した、高く高く、 一飛躍。 岸壁の断層――数万羽のロッペン鳥、 画面を....
「四つの都」より 著者:織田作之助
四つの都会を描いてみた。そして、この四つの都会のつながりは、一人の女性の勤労への
挺身によって完結するのだが、私はこの四つの都会のうち少くとも三つの表現に、それぞ....