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「挿む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

挿むの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の位置にある僧侶階級にのみ限られていた。誰でもこの僧侶階級の先入的な意見に疑いを挿むような者はこの僧侶たちと利害を同じうしていた主権者から最も苛酷な追究を受けた....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を辟《さ》く云々。画鶏を戸上に帖し、葦索をその上に懸け、桃符《とうふ》をその傍に挿む、百鬼これを畏る〉と『荊楚歳時記』に載せ、註に董※いわく、今正臘の旦《あした....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
生命の満足に残ったのが虎松にとって大きな倖だったといえる。虎松は雪駄を帯の間に挿むと、足袋跣足のまま、下町の方へドンドン駈け下りていった。 「やあ、そこへ行く....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ある点は、他方に於て彼の理論癖にも亦現われている。彼程ムツかしい「哲理」を処々に挿む作家は少なくとも日本では珍しいだろう。と共に、彼ほど錯雑した形で所見を述べる....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ているわけだ。であればこそ軍部道は、社会百般の事物に就いても粛軍的に一定の意見を挿むことに建前を見出すのだ――凡そ吏道とは内を意味するのではなくて外を意味するの....
死者の書」より 著者:折口信夫
と此が、神の代からの掟でおざりまする。 志斐嫗の負け色を救う為に、身狭乳母も口を挿む。 唯知った事を申し上げるだけ。其を聞きながら、御心がお育ち遊ばす。そう思う....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
ツ――ッと寄り添った。 主人あやうしと見て取ったものか、二人の武士が左右から、挿むようにして切り込んで来た。 と、鏘然たる太刀の音! つづいて森の木洩陽を....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
ばく」の方が、いくらか下品にしろ、妙味があった。話の序でだから、この一部をそこへ挿むことにしよう。 ――もともと出鱈目と駄法螺をもって、信条としている彼の言ゆ....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
発刊の趣旨は色紙を用いざる方よろし。色紙を用いるならば祝詞祝句と随筆類との中間に挿むかまたは他の文と募集句との中間に挿むかしてその上は募集句広告ばかりにてものせ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
付いた。その代りに何か一幕加えなければならなくなったので、俄かにこの「腰越状」を挿むことにした。五斗は団十郎、関女は秀調、泉三郎は八百蔵という役割で、ここに再び....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
斯う云って父は一息|吐いた。市郎も余りに奇怪なる物語に気を呑まれて、何とも詞を挿む勇気が無かった。 「それから初七日の日に、親類一同が式の如く寺参りに行くと、....
「プラーゲ旋風」の話」より 著者:山下博章
登記に就いても、数十年来同一趣旨の判例が繰返されて居り、学説の上でも何人も異論を挿む者はない。乙が甲から家屋を買受けて所有していた所、丙が其の家屋に放火したので....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ていたのである。短歌文学の危機であったと思われる。 それを暗示する一つの逸話を挿むことにしよう。それは『今鏡』という鎌倉の初期に書かれた歴史文学の「村上源氏、....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
食店を始める、旅館を開く、筋肉労働者となる。それについて世間の何人ももはや異議を挿むものはありますまい。しかしながら世人がその店に立ち寄らず、その宿に泊らず、そ....