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「挿花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

挿花の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不審庵」より 著者:太宰治
き風情と相成果申すべく、すなわち各人その好む所に従い、或いは詩歌管絃、或いは囲碁挿花、謡曲舞踏などさまざまの趣向をこらすは、これ万物の霊長たる所以と愚案じ申次第....
婦人改造と高等教育」より 著者:与謝野晶子
も少し努力すれば簡易に済ますことの出来る余地がいくらもあります。また茶の湯とか、挿花とか、遊芸とかの稽古事で過当な時間と精力を費しているのも非現代的だと考えます....
新女大学」より 著者:福沢諭吉
と》ぶと言えば、遊芸は自《おのず》から女子社会の専有にして、音楽は勿論、茶の湯、挿花《いけばな》、歌、誹諧、書画等の稽古は、家計の許す限り等閑にす可らず。但し今....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
生態に接したのは、初度に鎌倉に移ってからのことである。 雪の下の僑居の筋向いに挿花の師匠が住んでいて、古流では名人に数えられていた。その家の入口の前坪に四つ目....
あしびの花」より 著者:土田杏村
今はもう散つて了つたが、馬酔木の花は樹の花の中でも立派なものだ。梅のさく早春から藤の散る初夏頃まで咲き続き、挿花にでもしようものなら、一箇月の余もしほれないでゐる、生気の強い灌木だ。 馬....
食道楽」より 著者:村井弦斎
》に入《い》る。室は綺麗《きれい》に掃除されたり。床の間の掛物、花瓶《かびん》の挿花《さしばな》、置物の工合なんど高雅に見えて一入《ひとしお》の趣きあるは書生上....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
条件となるべきよき内容を有するものは見当たらない現状である。例えば、それは生花、挿花の美しさである。一見「根」あるものと区別を分たざる美しさを示してはいるが、も....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
これより増加すること。第三に、日本従来の遊興技芸(例えば書画、碁、将棋、茶の湯、挿花等)、外国人のいまだその用を知らざるものも、内地に来たりてこれを実見するとき....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
一枚明けて行ったままで、消し忘れた天井の電燈さえまた昨夜と同じように床の間の壁に挿花《さしばな》の影を描いている。懶《ものう》い稽古唄や物売の声につれて、狭間《....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
よほど茶道もお花もお習いになったのでしょう」 「うそを申せ、わしは公卿じゃなし、挿花や香道の師についたことはない」 「でも、そう見えますもの」 「なんの、挿花を....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、たまには江戸へ息抜きにおいでなさいな。本郷妻恋一丁目、門垣根に百日紅があって、挿花の師匠の若後家と聞けばすぐ知れますよ。エエ、それがわたしの化身なの」 お十....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
しげな微笑を含んでいる女の半身――見ると蔵前風な丸髷くずしに被布を着て、琴か茶か挿花の師匠でもありそうな身装、姿はまるで変っているが、それは見返りお綱に違いなか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
きれぬ程な間ごと間ごとの花瓶や籠には、菊が匂った。老女らと共に、それぞれの室にも挿花の意匠をほどこしおえた草心尼は、やがて、 「盲の子連れなどがおりましては、か....