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捏ね
「捏ね〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捏ねの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ぎないのだ。即ちお前の最も表面的な理智と感情との作用で、かすかな私の姿を神にまで
捏ねあげていたのだ。お前にはお前以外の力がお前に加わって、お前がそれを避けるにも....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
と、呻吟する声がある。 いずれにしても、僕の耽溺した状態から遊離した心が理屈を
捏ねるに過ぎないのであって、僕自身の現在の窮境と神経過敏とは、生命のある限り、ど....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
ないわけには行かないのだ。それというのも、実は此の一篇の本筋は作者が空想の上から
捏ねあげたものではなく、作者の親しい亡友Mが、其の死後に語ってきかせて呉れたもの....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
六百年の、光輝ある国史の上に、これはまた決して書きたくはない文句を、血と涙と泥を
捏ねあわせて、記さねばならなかった。 かくて、カレンダーは、ポロリと一枚の日附....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
お帰り、)と、継穂がないわの。 (いんにゃ、理を言わねえじゃ、)とまだ早や一概に
捏ねようとしましたら…… (おいでよ、)と、お前様ね。 団扇で顔を隠さしったな....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
男だが、鳶のように魚の腹を握まねばならない。その腸を二升瓶に貯える、生葱を刻んで
捏ね、七色唐辛子を掻交ぜ、掻交ぜ、片襷で練上げた、東海の鯤鯨をも吸寄すべき、恐る....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
を謂うだ。蚤にも喰わすことのならねえものを、何として、は、殺せるこんだ。さ駄々を
捏ねねえでこちらへござれ。ひどい蚊だがのう。お前様アくわねえか。」 「ええ、蚊が....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
取調べたのが、俵町の裏長屋に居たそれだと謂って引渡された。 田舎は厭だと駄々を
捏ねるのを、守膳が老功で宥め賺し、道中土を蹈まさず、動殿のお湯殿子調姫という扱い....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ぶりと参らぬ。草の根が張って、ぎしぎしいう、こじったが刺りません。えいと杖の尖で
捏ねる内に、何の花か、底光りがして艶を持った黄色いのが、右の突捲りで、薄なりに、....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
見識が違う。……その用意で、その癖ひょろりと脊が高い。ねばねばと優しい声を、舌で
捏ねて、ねッつりと歯をすかす、言のあとさきは、咽喉の奥の方で、おおんと、空咳をせ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
が、白米一升、どないにしても七十銭じゃ。割じゃろがい。はっはっはっ。) 泥足を
捏ねながら、肩を揺って、大きに御機嫌。 給金の談判でした。ずんずん通り抜けて、....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
して、逢えなくなってからは、なおの事、行っちゃあ尼様を強請ったんだ。私あ、だだを
捏ねたんだ。 見ても、何でも分ったような、すべて承知をしているような、何でも出....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ら休業は十七日だに変だと思うと、案の定なんだろうじゃあないか。 すったもんだと
捏ねかえしたが、言種が気に入ったい、総勢二十一人というのが昨日のこッた、竹の皮包....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
」 細君が何か言うと、 「可厭、可厭、可厭なんだよ、そんな奴に、」 とだだを
捏ねるような語調と態度で、 「博徒でも破戸漢でも、喧嘩に対手は択ばないけれど、親....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
られよう。このまま縦令露西亜の土となろうとも生きて再び日本へは帰られないと駄々を
捏ねたは決して無理はなかった。が、このまま滞留すれば病気は益々重るばかりで、終に....