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「捕捉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捕捉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
かし偉大なる露西亜の胡瓜はそう云う浅薄な色ではない。この通り人生そのものに似た、捕捉《ほそく》すべからざる色をしている。ああ、偉大なる露西亜の胡瓜は……』と懸河....
或る女」より 著者:有島武郎
ないではなかったけれども、終わりのほうに近づいて行っての荘厳さは見物人のすべてを捕捉《ほそく》してしまいました。ウェルシ嬢の演じた女主人公は真に迫りすぎているく....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
然しそれは結局私ではなかった。 物を見る事、物をそれ自身の生命に於てあやまたず捕捉する事、それは私が考えていたように容易なことではない。それを成就し得た人こそ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
が繁殖し、後年|掟のゆるむに従って焼き鳥もまた名物の一つになったのである。如上|捕捉する事も出来ない、御注文から脱線したとりとめもないものに終ったが、予めお断り....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
二十万の大軍が広大なる正面をもって千キロ近き長距離を迅速に前進し、一挙に敵主力を捕捉殲滅したウルム作戦の壮観は、十八世紀の用兵術に対し最も明瞭に殲滅戦略の特徴を....
転機」より 著者:伊藤野枝
かを見出さなければならないと思いあせりながら、果しもない、種々な考えの中になにも捕捉しえずに、何となく長い考えのつながりのひまひまに襲われる、漠然とした悲しみに....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
がテレビジョンの像電波を発射しているんだ。それをアメリカ本国では、沢山の受影機に捕捉し、あらゆる角度から怪人集団の様子を監視しているのだと思うね」 「すると、怪....
河明り」より 著者:岡本かの子
知らず磨き出されて来る作家本能の触角で、私の物語の娘に書き加える性格をゆくりなく捕捉できるかも知れない。私のこの最初の方図は障碍に遭って、ますますはっきり私に慾....
富士」より 著者:岡本かの子
長を語り、生活とも幸福ともいわない。強《し》いてそれらしいものを娘の言葉の中から捕捉するなら娘がいったいくたたびか迎える辛くも新鮮な青春、かくて遂《つい》に老ゆ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
鶏や米や魚や手当り次第に攫って行く。其の素捷いことは所謂猿の如くで、容易に其影を捕捉することは能ぬ。 又たとい其姿を認めた者があっても、臆病な里人は決して之を....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ない現象が現われるのに気がついているのだ。勿論、そういう感覚的錯覚には、とうてい捕捉し得ない不思議な力がある。つまり、それから絶えず解放されないことが、結局病理....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
それには欠くべからざる根本信念がこの幾年目を皿のごとくにして探し回ってるのにまだ捕捉できない。といって冷たい人生の傍観者になんでなれよう。この境に彷徨する私の胸....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
たゞけますよう、お願い申上げます」 最初の保釈願は右のように慇懃を極めたと共に捕捉しようのないものだったが、之が殆ど即日不許可になると、支倉は続いて裁判長に請....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
びたいはく》の才、東坡柳州《とうばりゅうしゅう》の筆にあらずはいかむかこの光景を捕捉《ほそく》しえん。さてそれより塩竈《しおがま》神社にもうでて、もうこの碑《ひ....
墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
とは」 「蓋然の法則です」 あまりに突飛な言葉に小田さんも私もしばらく、意味を捕捉するに苦しみました。と、この姿を見てとった俊夫君は、次のように語りました。 ....