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「捕縄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捕縄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
れでも威勢よく反抗していました。が、力において勝った刑事は、難なく青年の右の手に捕縄をかけて、とうとう引っ張って行くじゃありませんか。おそらく、職務執行妨害とで....
人間灰」より 著者:海野十三
しろッ。この人殺し奴!」 腕力に秀でた巡査は、怪漢の手を逆にねじあげると、忽ち捕縄をかけてしまった。 「乱暴をするな、なぜ縛るんだ」 と怪漢は眉をピリピリ動....
蠅男」より 著者:海野十三
いていった。 「村松氏を、殺人容疑者として逮捕せよ」 村松氏の手首には痛々しく捕縄がまきついた。曾ては、蠅男の捜査に、係官を指揮していた彼が、今は逆に位置をか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
亀吉は云った。 「そんな奴は何をするか判らねえ。一旦は縄をかけて置け」 智心は捕縄をかけられた。二人はお住と智心を追い立てて、もとの所へ戻って来たが、もう猶予....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
覧なさい。この人はなか/\面白い話を知っています。わたくしのお話はいつでも十手や捕縄の世界にきまっていますけれども、こちらの方は領分がひろいから、色々の変った世....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
事ぞと驚いているうちに、後から駆けて来た四、五人の刑事がバラ/\と彼に折重なって捕縄は忽ちかけられた。 かくて怪人支倉は逃走後一ヵ月有余、三月の空蒼く晴れ渡っ....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
空合を眺めて居りました二人の夜店|商人が、互いに顔を見合わせ、頷きあい、懐中から捕縄を取出すや否や、格子戸をがらりっと明けて、 「御用だ……神妙にいたせ」 ....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
出した男は、ナント吾が親友青山喬介だ。驚いた私の前へ、続いて現れたのは、ガッチリ捕縄を掛けられた、船員らしい色の黒い何処となく凄味のある慓悍な青年だ。二人の警官....
火星兵団」より 著者:海野十三
いる。 「こいつはしめたぞ。やっつけるのは、今のうちだ」 佐々は、ふところから捕縄を出した。刑事として、どこへでも持って行く丈夫な麻縄であった。それをすばやく....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
へ。 「あれ。」 「おい、気の毒だがちょっと用事だ。」 と袖から蛇の首のように捕縄をのぞかせた。 膝をなえたように支きながら、お千は宗吉を背後に囲って、 「....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
がらみのデップリふとった大男で、昔は素人相撲の大関をとった力自慢。幕末までは十手捕縄をあずかるヤクザ、俗に二足のワラジをはくという田舎にありがちなボスの一人であ....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
と夜が明ける。……かまうものか、忍び込んでやれ!」 塀にピッタリ体をつけさっと捕縄を忍び返しにかけてスルスルスルスルとよじ上った。と、もう姿が見えなくなった。....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
であろう? 誰かが懐中をのぞいたならば、すこしふくらんだふところの中に鼠色をした捕縄と白磨き朱総の十手とが、ちゃんと隠されてあることに、きっと感づいたに相違ない....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
くて彼自身であったかも知れない。そうすることによってマーケットの親分となり、十手捕縄も同時にあずかり、代議士にも当選して、存分に栄え、大威張りしてめでたく往生を....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
の数は揃うので有った。お鉄の亭主の火渡り甚右衛門というのが、お上から朱房の十手に捕縄を預った御用聞きで、是れが二足の草鞋を穿いていた。飯岡の助五郎とは兄弟分で有....