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捗
「捗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
した。そうして二人とも、秋の日の静かな物音に耳をすませた。
「八犬伝は相変らず、
捗《はか》がお行きですか。」
やがて、崋山が話題を別な方面に開いた。
「いや、....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
自分は二階の書斎へこもり、毎日の仕事にとりかかった。仕事は不相変《あいかわらず》
捗《はか》どらなかった。が、それは必ずしも子供の病気のせいばかりではなかった。そ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
対等な語《ことば》づかいで、いろいろな話をした。
道士は、無口な方だと見えて、
捗々《はかばか》しくは返事もしない。「成程な」とか「さようさ」とか云う度に、歯の....
「夢」より 著者:芥川竜之介
女の姿にある妙な圧迫を感じることもない訣《わけ》ではなかった。
わたしの制作は
捗《はか》どらなかった。わたしは一日の仕事を終ると、大抵《たいてい》は絨氈《じゅ....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
の世界を、不必要なる差し出口をもって混濁し、なんらかの意味において実際上の事の進
捗《しんちょく》をも阻礙《そがい》するの結果になるだろう」と。この立場からして私....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
あったか、蛇は見えなくなり暑さも凌《しの》ぎよくなったので、気も勇《いさ》み足も
捗取《はかど》ったが、ほどなく急に風が冷たくなった理由を会得《えとく》することが....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
手《まくりで》で何とも以《もっ》て忙しそうな、そのくせ、する事は薩張《さっぱり》
捗《はかど》らぬ。態《なり》に似合わず悠然《ゆうぜん》と落着済《おちつきす》まし....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
「ようございますわね、もう近いんですもの」 やや無言にて歩を運びぬ。酔える足は
捗取《はかど》らで、靴音は早や近づきつ。老人は声高に、 「お香《こう》、今夜の婚....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
×× 一等戦闘艦××は横須賀軍港のドックにはいることになった。修繕工事は容易に
捗どらなかった。二万|噸の××は高い両舷の内外に無数の職工をたからせたまま、何度....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。 やがてくわしく、と云うのが、そのままになった――今夜なのである。 俊吉は
捗取らぬ雪を踏しめ踏しめ、俥を見送られた時を思出すと、傘も忘れて、降る雪に、頭を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
は、」 問われて目を圧えた手が微に震え、 「悪い方じゃあないッていうが、どうも
捗々しくは行かぬそうだ。なりたけまあ大事にして、ものを見ないようにする方が可いっ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
それでも素面のようではない。一人前、顔だけ背負って歩行く工合で、何となく、坂路が
捗取りません。 馬場へ懸ると、早や日脚が摺って、一面に蔭った上、草も手入らずに....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
交渉なき局部的の意見は、筆者の思想を窺うのには役立つが、われ等の信仰問題とは没交
捗である。二千年、三千年の昔に於て述べられた言説が、永遠に威力を有するものと思う....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
すんですか。」 「ええ、一柳亭のですがね、する事は先へして、あとで掛け合った方が
捗取りますから。」 伸上って、覗いたが、綱で結えたまま、錠を下してない。 踞....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
年にわたる持久戦争となった。一八〇四年皇帝の位に即き、英国侵入計画は着々として進
捗、その綜合的大計画は真に天下の偉観であった。これは今日ヒットラーの試みと対比し....