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「捧ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捧ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの道」より 著者:有島武郎
っているといわねばならぬ。 その思想と伎倆《ぎりょう》の最も円熟した時、後代に捧ぐべき代表的傑作として、ハムレットを捕えたシェクスピアは、人の心の裏表《うらお....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
誌を発行した。文人が活動し得る舞台が著るしく多くなった。文人は最早非常なる精力を捧ぐる著述に頼らなくても習作的原稿、断片的文章に由て生活し得るようになった。文人....
天守物語」より 著者:泉鏡花
げて出づ。 亀姫、振袖、裲襠、文金の高髷、扇子を手にす。また女童、うしろに守刀を捧ぐ。あと圧えに舌長姥、古びて黄ばめる練衣、褪せたる紅の袴にて従い来る。 天守夫....
地球要塞」より 著者:海野十三
黒馬博士の殊勲に対し、余鬼塚元帥は、深甚《しんじん》なる謝意《しゃい》と敬意とを捧ぐるものなり」 「ああ、そうだったか。あのX大使というのは、金星超人だったか。....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
敵のない国が、世界のどこにあるんですか。仇は至る処に満ちている――ただ一人の娘を捧ぐ、……海の幸を賜われ――貴女の親は、既に貴女の仇なのではないか。ただその敵に....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
してかつ神秘である。 いま此処に来てこの経を視るに、毛越寺の彼はあたかも砂金を捧ぐるが如く、これは月光を仰ぐようであった。 架の裏に、色の青白い、痩せた墨染....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ある心地。 おお、この森を峠にして、こんな晩、中空を越す通魔が、魔王に、はたと捧ぐる、関所の通証券であろうも知れぬ。膝を払って衝と立って、木の葉のはらはらと揺....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
るも烙くも、いずれ繊楚い人のために見る目も忍びないであろう処を、あたかも好、玉を捧ぐる白珊瑚の滑かなる枝に見えた。 「かえりに、ゆっくり拝見しよう。」 その母....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。たとい彼女がコスモに近づくことがないにしても、見知らぬ人間が彼女のために生命を捧ぐるまでに恋いこがれているということを、彼女が喜んでくれればそれでいいと望んで....
多神教」より 著者:泉鏡花
几を提げ出づ。神職。厳に床几に掛る。傍に仕丁|踞居て、棹尖に剣の輝ける一流の旗を捧ぐ。――別に老いたる仕丁。一人。一連の御幣と、幣ゆいたる榊を捧げて従う。) お....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
怒鳴られたので、原稿投函上の迷信は一時に消失してしまった。蓋し自分が絶対の信用を捧ぐる先生の一喝は、この場合なお観音力の現前せるに外ならぬのである。これによって....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
左なるは五百尺もやあらん。南画も描いて、ここまでには到らずと、またも一杯を山霊に捧ぐ。その楼閣の石柱続きて、尽くる所を知らず。余は見物しつつ行き、二人の人夫は魚....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
福神の像を安置す。その貌ややわが大黒、恵比須に似て、服装を異にす。その前に香花を捧ぐ。また、毎戸の前隅に聚宝碑と名づくる小石碑あり。その碑面に「来竜聚宝接引財神....
男の子を見るたびに「戦争」について考えます」より 著者:小川未明
断が下され得るかということであります。 正義のために殉じ、真理のために、一身を捧ぐることは、もとより、人類の向上にとって、最も貴ぶべく、また正しいことです。し....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
目的への運歩の両足でうれしきにつけ悲しきにつけ筋は運んでいるものと、いよいよ信を捧ぐべきです。そうするときには安心の結果、持っている力も伸び伸びと使え、また、決....