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捨てたものではない
「捨てたものではない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捨てたものではないの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
四|妻《さい》というて、盗み食いする味は、また別じゃというほどに、人の女房とても
捨てたものではない。 長十郎 さては、そなたには覚えがあるとみえる。 源次 何の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なる人気をわかしてしまったのも無理はありません。 右の生首は、このところで討ち
捨てたものではない、よそから持って来て捨てたものであろうと思われる証拠には、その....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なりませぬ。ところで、只今のお話を伺ってみますと、世間にはまだ同じ志の者がある、
捨てたものではない、と頼もしさ限りがございません。まあお笑い下さい、わしどもはこ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
で亦生きて、そして字がかけないから心にかかれたものとしてああいうかたちをとるなら
捨てたものではないと思います。これからも出来る間は続けましょう。ですから自然作品....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。 「まぼろしの塔か。きいた風なことを云う馬賊だが、見どころのある奴だ。日本人も
捨てたものではないらしいやな」....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
を修めようというのだから鷹にしても上の部だ。 二十八歳の男盛り。縹緻もまんざら
捨てたものではない。丈は高く肉付きもよく馬上槍でも取らせたら八万騎の中でも目立つ....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
、どこかにマチガイがあるような感じがついて離れなかった。するとそのカンもまんざら
捨てたものではないことをなかば証拠立てるような事が現れた。 犯人を見たのは波川....
「濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
。いよいよ清酒が飲めないことになれば、私は濁酒でやろうかと考えている。濁酒の味も
捨てたものではない。濁酒を燗鍋で温めて飲むのも風雅なものだ。私の子供の時分には故....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
《かんげい》しない。しかれども方法をもってすれば、砂糖《さとう》が製せられるから
捨てたものではない。 ヒマワリの図 ユリ 中国に百合という一種のユリがあって....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
沢には滝が多い。庚申川に沿うた紅葉は、さほど盛りを過ぎてもいなかった。谷川の趣も
捨てたものではない。十二時銀山平、午後一時二十分原向。それから二時二十六分の汽車....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
なた》此方《こなた》に通ずる堀割から荷船《にぶね》の帆柱が見える景色なぞまんざら
捨てたものではない。 東京市の土木工事は手をかえ品をかえ、孜々《しし》として東....