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捨て処
「捨て処〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捨て処の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
近くなったので、水は日毎に新にした。青天井の下の風呂は全く爽々して好い。「行水の
捨て処なし虫の声」虫の音に囲まれて、月を見ながら悠々と風呂に浸る時、彼等は田園生....
「弟子」より 著者:中島敦
干を仁人と褒めはしないはずだ。但《ただ》、生命は道のために捨てるとしても捨て時・
捨て処がある。それを察するに智をもってするのは、別に私《わたくし》の利のためでは....
「花園の思想」より 著者:横光利一
。が、さて捨てるとなると、その濡れたように生き生きとした花粉の精悍な色のために、
捨て処がなくなった。彼は小猫を下げるように百合の花束をさげたまま、うろうろ廊下を....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
両断に斬り棄てました。御覧なされませ。この風呂敷で御座います。あとでこの風呂敷の
捨て処に困りました野西は、自分の定宿の博多大横町、鶴巻屋へ持って帰って、炊き付け....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
かりしか、かかる心をもっていしかと責めては後にて弔われん、一度はどうせ捨つる身の
捨て処よし捨て時よし、仏寺を汚すは恐れあれどわが建てしもの壊れしならばその場を一....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
だけは内密にお願いいたしたいんですが――』 『大丈夫です。私の体は皆さんの秘密の
捨て処、否え、秘密金庫ですから、あなたのお許しがなければ、容易に鍵は開けませんよ....