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「捨値〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捨値の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
束を焼いて灰にして、その灰の中から水銀法によって金分を採る。能面は刀の鍔と一緒に捨値で西洋人に買われて、西洋の応接室の壁の装飾に塗込まれるという言語道断さで、能....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ょう。 お公家《くげ》さん、学者、大商人《おおあきんど》といったところの紙屑を捨値で買い込んで、これを拾いわけてうまく売り出しやしょう。 ところで、商売は、....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
云う事を頭に置かなかったものだから修繕費修繕費に追われてしまう、遂には腹が立って捨値に売り飛ばしてしまった。 自家用専門に本式自動車を持つとすれば税金だけでも....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の本は完成することができないので、その木版と本文とをもはんぱ物としてある古本屋に捨値《すてね》で譲ってやった。彼にはもはや一生を費やした著作物から残ってる物は何....
蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
後ろのビルの上階にも、一つの大入道がいることを、俺は故あって知っている。空襲中、捨値に売り出された家具類を買いあさり、田舎に運び蔵して、大金を儲けた。戦後、ヤミ....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
、二千円で買いましょう」 「何を仰有るのです。私だって疎開を急がなければ、こんな捨値で売りやしませんよ。今どき、五千円ポッチで何が買えますか。あなたのように、家....
」より 著者:岡本綺堂
ので、勘十郎は思いもよらない掘出し物をしたのを喜んだという話であるから、おそらく捨値同様に値切り倒して買入れたのであろう。 それはまずそれとして、その明くる朝....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
た恋仇にぴったり抱きついているのである。今ではもう二人は同格だった。二人とも同じ捨値をつけられて、あっさり抛りだされたのだ。 二人は同格なのだ!……行きあたり....