» 捨場

「捨場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捨場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
する。それは旋盤工場である。旋盤工場はあの鉄工場の一部にある筈だ。其処の裏手の屑捨場まで歩けば、もうそれで充分だ。』 私は黙って喬介の後へ続いた。途中で行逢っ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
です……時代は変りつつあるのです! 心中情緒も改造を要すべき時代なのです! 命の捨場所を卑怯にもこんな川底に求める必要はありません。川底にそれを求めた時代は、私....
捨場捨場」より 著者:喜田貞吉
今もなお諸所に小字を牛捨場または馬捨場と称する所がある。また小字という程でなくても、俗にそう呼んでいる....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
、牛馬が死ねば必ずこれを長吏に下付する。かつては農家ではその所置に困って、一定の捨場に放棄し、いわゆる牛捨場・馬捨場なるものが所々にあったが、その捨場の権利を長....
剣侠」より 著者:国枝史郎
「ここはどこなのでございます? どういう所なのでございます?」 「処刑場だ、人捨場だ! 嘉門の云い付けに背いた者や、廃人になって役に立たなくなった者を、生きな....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
夏のころまで草原と池は底を現しているのである。すると近くの人々がその凹みを塵芥の捨場と心得て、ブリキの空箱などが山と積まれる。その不潔な山が春から夏への季節には....
アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
て,それっきり どうなったかわからなくなってしまった. ふと気がついて見たら 芥捨場の末に,一つの腹のふくれた蛙が 死んでいて,その耳と耳との間に私はすわってい....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
足を向け始めるような気がする。ゴーゴルか誰かの小品で読んだ、パンの中から出た鼻の捨場所を捜してうろついて歩いている男の心持を想い出した。 あきらめて東京駅から....
さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
従って猫を捨てる人の多いのも当然であろうと思われた。 猫を捨てに出た人が格好の捨場を求めて歩いて行くうちに一つの橋の袂に来たとすれば、その人はまたおそらく当然....
社会時評」より 著者:戸坂潤
吏のウダツが上らず、最近までは、逓信省などに於ける放送協会などのような古手官吏の捨場もない、沈澱官吏の溜りである文部省にして見れば、例えば関屋閥というようなもの....
ヒューメーンということに就て」より 著者:豊島与志雄
家常茶飯事という奴がその一つである。其他種々。即ちヒューメーンというのは、一の塵捨場である。人間の精神生活には何の役にも立たないがらくたの掃溜である。そしてこの....
ものの影」より 著者:豊島与志雄
との評判だった。 アパート附近の家並の出外れに、荒地があって、その片隅が、塵芥捨場のようになっていた。あちこちからそこへ、塵芥を捨てに来る。塵芥の中には、紙屑....
正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
生きながら老作家をまつり込むアカデミイがある。江戸時代には死したる学者を葬る儒者捨場があった。大正文学の遺老を捨てる山は何処にあるか……イヤこんな事を言っている....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
京都の町を担ぎ歩いたようで、米友のは梯子よりは有難い不動様であるだけに、なおさら捨場に困るのであります。 ほかのことにはあまり頓着はしない米友が、こういうこと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、その床の上に古い帳簿だの、ぼろぎれだの、足のもげた小机だのというものが、ゴミ捨場のようにつくね散らされていることでありました。 それを見ると、お銀様は眉を....