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捩り
「捩り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捩りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
ちゃんは他人だから、お浜の婿さんじゃないんだから、」 と肩を引いて、身を斜め、
捩り切りそうに袖を合わせて、女房は背向になンぬ。 奴は出る杭を打つ手つき、ポン....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
い尽す蛞蝓と、枯枝の真似して居て、うっかり触れば生きてますと云い貌にびちりと身を
捩り、あっと云って刎ね飛ばせば、虫のくせに猪口才な、頭と尾とで寸法とって信玄流に....
「道づれ」より 著者:宮本百合子
の裏の生垣つづきの木戸をあけて、 「ただいま」 上り端の三畳の電燈を背のびして
捩りながら、 「まあ、おかえったかい、おそかったこと!」 祖母のおむらが、土間....
「青年」より 著者:森鴎外
、左の草履が麻の葉のような皴のある鞍馬の沓脱に上がる。お雪さんの体がしなやかに一
捩り捩られて、長い書生羽織に包まれた腰が蹂口に卸された。 諺にもいう天長節日和....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
ここで、テーマはいつの間にか、嘗て『青鞜』がそこを脱出し得なかった社会の段階へ、
捩り戻されているのである。 人間のみんなから貧乏をなくするように、こういう女の....
「日記」より 著者:宮本百合子
の女のひとは思案にあまって投げすてたというように、コートにつつんで立っている体を
捩り、 「じゃ、何でもようございますわ、おみつくろい下されば……」と云った。 「....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
つれて行け。でねえと、この腕をへし折ってくれるぞ。」 そう言いながら、私の腕を
捩り上げたので、私は思わず叫び声をあげた。 「でも、私の言うのはあんたのためなん....
「蘇生」より 著者:豊島与志雄
自分を彼は見出した。もはやどうすることも出来なかった。彼は両手を胸の上に組んで、
捩り合した。苦しいものが胸の底からこみ上げてくるのをかきむしりたいような気がした....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
結び付け、片肌脱ぎで大きな口を開いて唄う其の後から、茶碗を叩く薬缶頭は、赤手拭の
捩り鉢巻、一群大込の後から、脊割羽織に無反の大小を差し、水口或は八丈の深い饅頭笠....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
解はさらにこの画とアジャンター壁画との相違点によって強められる。たとえばあの腰の
捩り方は、詳しく見ればインドのものと同一でない。インドのはもっとひどく、ほとんど....