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据わり
「据わり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
据わりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「安重根」より 著者:谷譲次
掛けている。 女一 (髪を束ね直しながら)さ、お神輿を上げようかね、朝っぱらから
据わり込んでいても、いい話もなさそうだし――。 女二 あああ、ゆうべは羽目を外し....
「寛永相合傘」より 著者:林不忘
《ふくさ》を持ち添えて中心《こみ》に手を掛けた。それから注意ぶかく光線をうしろに
据わりなおした。そして、刀身をまっすぐ竪にし、刃文《もよう》を照らしながら、焼刃....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
家元六平太氏、当時幼名千代造氏が能静氏の血縁に当る故を以て弱冠ながら家元の地位に
据わり、異常の天分を抽んで、藤堂伯その他の故老に就てお稽古に励んでいた。しかも前....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
が他日物を書くときになって役に立たぬ気遣いは無い。それからピエエルは体を楽にして
据わり直して、手紙を披《ひら》いて読んだ。 ―――――――――――....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もらいさえすればよい」 これが洒落者《しゃれもの》ならば、なるほど、与八ならば
据わりがいい――と交ぜっ返したくなるような頼みなのですが、頼む方も、頼まれる方も....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
いふ」とは、寿命が限無いというのであるが、この結句は一首の中心をなすものであり、
据わりも好いし、恐らく、これと同じ結句は万葉にはほかになかろうか。中味は、「今日....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
差したかれは、刀の重みを受けて刀にゆるむ帯を軽くゆすりあげたのち、ちょっと大小の
据わりをなおして、ゆらりと土間におり立った。
片手に浪人笠。
履物を突っかけ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
出しました。
吉田を出ると、ムッと草の香のする夏野原……中の二人は、心得のある
据わり方をして、駕籠の天井からたらした息綱につかまってギイギイ躍るのも、もう夢心....
「窓にさす影」より 著者:豊島与志雄
老年なのでと訴えた。すると、A叔母さんはじっと考えてる風だったが、突然、眼が宙に
据わり、頬の肉が緊張した。そして何やら独り頷いて、やがて言った。 「お大事になす....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
て、ジ――ッと、一列に構え込んだ。 まさに太刀数六七十本向かい合わせてぴたりと
据わり、真剣の勝負、無駄声もかけずただ、位取った刀身が、春陽をはねて白々と光り、....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
立ち、彼を睨んでいる松戸の五郎蔵の姿であった。 憎悪に充ちた五郎蔵の眼がグッと
据わり、厚い唇が開いたと見てとれた瞬間、怒号する声が聞こえて来た。 「憎いは頼母....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
・リヴォーヴナはわなわなと震えた。それまで定まらなかった彼女の眼ざしは、しだいに
据わりはじめて、兇暴な色を帯びてきた。両の腕が一ぺん二へん、当てどもなく中有にさ....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
し、さもなければ、出るところへ出て話を付けて貰おう、それまではこのとおり、店頭へ
据わり込んで動かないという言分。煎餅どころじゃない。瓦屋の一家――といっても夫婦....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
張って来たものの、よく読めないくせに眼のない瓦本《かわらぼん》でつい髪結床へ腰が
据わり、先刻から三人も幸町を流して行く呼声にさえ気のつかない様子。もう四つにも間....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ワグネル
尨犬らしい気まぐれな奴でございます。
先生がお立留になれば、前へ来て
据わります。
お物を仰ゃれば、飛び附いて参ります。
何かおほうりになったら、取っ....