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「据風呂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

据風呂の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ある。 湯は、だだっ広い、薄暗い台所の板敷を抜けて、土間へ出て、庇間を一跨ぎ、据風呂をこの空地から焚くので、雨の降る日は難儀そうな。 そこに踞んでいた、例の....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いので、夕方から夜にかけては湯屋がひどく混雑する。 わたしの家に湯殿はあるが、据風呂がないので内湯を焚くわけに行かない。幸いに井戸の水は良いので、七月から湯殿....
不審庵」より 著者:太宰治
なるのである。夏は炉のかわりに風炉を備えて置く事になっているが、風炉といっても、据風呂ではない。さすがに入浴の設備まではしていない。まあ、七輪の上品なものと思っ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
は岡持に鯉のあらいを持って来る。通りの酒屋は貧乏徳利を下げて来る。小僧は竈の下と据風呂の釜とに火を燃しつける。活気はめずらしくがらんとした台所に満ちわたった。 ....
春昼」より 著者:泉鏡花
れ、涼しさやと言った句の通り、縁から足をぶら下げる。客人は其処の井戸端に焚きます据風呂に入って、湯をつかいながら、露出しの裸体談話。 そっちと、こっちで、高声....
堺事件」より 著者:森鴎外
した。新調した縞の袷を寝衣として渡す。夜具は三枚布団で、足軽が敷畳をする。隔日に据風呂が立つ。手拭と白紙とを渡す。三度の食事に必ず焼物付の料理が出て、隊長が毒見....
戯作者」より 著者:国枝史郎
作界へ現われたのは馬琴にとっては容易ならない競争相手といってよかろう。 物を云う据風呂桶 それはある年の大晦日、しかも夕暮のことであったが、新しい草双紙の腹案....
魔像」より 著者:林不忘
たちき》を相手に、しきりに、やッ! とウ――剣術の稽古をしている音が聞えるだけ。据風呂《すえぶろ》を嫁は上手《じょうず》に跨《また》ぐなり……川柳子《せんりゅう....
良夜」より 著者:饗庭篁村
みを持ち、この宿りにては風呂へ入りしが棚へ脱ぎたる衣類の間には彼の三十円あれば、据風呂の中へ入りながらも首を伸してこれを看守りたり。出立つ前に年寄の忠告にも、「....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
屋を借りて、家内と婢女と三人で居たが、家主はつい裏の農夫であった。或晩私は背戸の据風呂から上って、椽側を通って、直ぐ傍の茶の間に居ると、台所を片着けた女中が一寸....
風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
が多いので、夕方から夜にかけては湯屋がひどく混雑する。わたしの家に湯殿はあるが、据風呂がないので内湯を焚くわけに行かない。幸に井戸の水は良いので、七月からは湯殿....