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「捲き起す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捲き起すの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
理な押しつけ方をする事も云う迄もない。そうしてその結果、飛んでもない喜劇や悲劇を捲き起すのも亦《また》云う迄もない事である。 そんな例を挙げると数限りもないが....
白菊」より 著者:夢野久作
あがると間もなく、網走の監獄を破って逃走したという一事は、全国のセンセーションを捲き起すのに十分であった。況んや、それが一箇月もの永い間、縛に就かない事が一般に....
伸子」より 著者:宮本百合子
が先生にそうしか云わせないのを知りつつ、伸子は、何か天啓的な一言、心境に大変動を捲き起す霹靂《へきれき》的な一言を渇き求めた。 「こういうことは、複雑だし、一生....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、現代の科学界と、一般社会との双方に投げかけられまして、世界的のセンセーションを捲き起すことに相成りましょう。すなわち正木先生が表面上、仮に『狂人の解放治療』と....
厨房日記」より 著者:横光利一
一を与える判断力を養っている準備期であるから、力が満ちれば端倪すべからざる黒雲を捲き起す。猫を冠っているという云い方があるが、この猫は静な礼儀の下で対象の計算を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てのみこの世界にもろもろの現象が起る、その現象が人間世界にもさまざまの悲喜哀楽を捲き起す――何の力が無明を働かして左様な現象を起さしめるのか、それがわからないと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
し相手次第では、ずいぶん聞捨てにならないほど、人の嫉妬《しっと》に似た心理作用を捲き起すかも知れないが、この話題の二人の人格に格段の異色があるところから、誰が聞....
魔像」より 著者:林不忘
之助を玩弄《がんろう》しつづけ、ついに大事……あの刃傷《にんじょう》とこの騒動を捲き起すに到ったのだ。 自分にも、責任がある。今となって、長岡頼母はそう思う。....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。そして、眼と。 そう二人のあいだに、険しい一瞬が発したせつなは、どんな争闘を捲き起すかと思われた。 助九郎の手は刀へ。権之助の手は杖へ。双方とも、ぴたと。....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ら流れる、流れる、流れる。 巒気か、冷気か、雲が迅いか、日がかげるか、自動車の捲き起す疾風か、私たちの胴ぶるいこそは繁くなると、 ああ、古蒼なさるおがせが椴....