捲る[語句情報] »
捲る
「捲る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捲るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
、楽しみをもって引移った。 三 初めての日曜日、風の烈しく吹き
捲る晴れた日であった。 房は、一吹き荒れる毎にどーっと塵埃を吹きつけ、ガタガタ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
。」 七 「こっちは、びきを泣かせてやれか。」 と黄八丈が骨牌を
捲ると、黒縮緬の坊さんが、紅い裏を翻然と翻して、 「餓鬼め。」 と投げた。 「....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
六 あたかもその時、役者の名の余白に描いた、福面女、瓢箪男の端をばさりと
捲ると、月代茶色に、半白のちょん髷仮髪で、眉毛の下った十ばかりの男の児が、渋団扇....
「塵埃、空、花」より 著者:宮本百合子
。その心持も厭だし、春は我々こそと云うように、派手な色彩をまとった婦人達が、吹き
捲る埃風に髪を乱し、白粉を汚し、支離滅裂な足許で街頭を横切る姿を見るのも楽でない....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
待て待て、俺が始末をして遣ると、背後から手を伸して其の後褄を引あげ、裳をクルリと
捲る途端にピカリ、はッと思って目を据えると、驚くべし、小僧の尻の左右に金銀の大き....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
傍まで行くと、老紳士と組んだ腕を解き、右の片手を鉢の縁にかけ、夜会服の裾を膝まで
捲る。心得のある老紳士はそっと彼女に背を向け中庭の薄明が室内の電燈と中和する水色....
「澪標」より 著者:外村繁
て二人も産んでいるんですもの。却っておかしいわ」 「すると、診察台に乗ってから、
捲るの。それとも着物を捲って……」 「知らん」 とく子はそう言って、いきなり体....