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捲土重来
「捲土重来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捲土重来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
な。もし項羽《こうう》に英雄の器があれば、垢を含んでも、烏江を渡るです。そうして
捲土重来《けんどちょうらい》するです。面目《めんもく》なぞをかまっている場合じゃ....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
乱は終ったことになって居る。 併し政弘と云い、義就と云い、一旦その領国を固めて
捲土重来上洛の期を謀って居るのである。亦京都に於ける東西両軍は解散したが、帰国し....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
法は民法施行期日と同日まで延期されたのであるから、断行派が二年の後を俟《ま》ち、
捲土重来して会稽の恥を雪《すす》ごうと期したのは尤も至極の事である。また延期派に....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
漢の団体に相違ないのでありますが、今度は又、東洋方面に何等の重要な使命を帯びて、
捲土重来したものと考え得べき理由があります。 ……現に西比利亜の東部に隠然たる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
転換させて、方向だけをごまかしてみるだけのもので、酒をあおるほどに、興奮がやがて
捲土重来《けんどじゅうらい》して、級数的にかさにかかって来るのは眼に見えるような....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
つは左膳、これでも胸中には、例によって烈々たる闘志を燃やし、今やこころしずかに、
捲土重来《けんどじゅうらい》、いかにもして栄三郎の坤竜を奪取すべき方策を思いめぐ....
「起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
けど、また大阪市内で本屋しまっさかい、雑誌買いに来とくなはれ」と、三ちゃんは既に
捲土重来の意気込みであった。そして、私をはげますように、 「織田はん、また夫婦善....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
かなか座附作者然としたる容子に候いし。大兄を訪う由申居候参りしや。暑気雨後に乗じ
捲土重来の模様。小生の小説もいきれ可申か。草々。 八月十九日金之助 ....
「作家としての小酒井博士」より 著者:平林初之輔
何ら知るところがなく、おまけに最近、しばらく筆を絶っておられた探偵小説の方面へも
捲土重来の意気込みで執筆されるという噂を聞いていたので、健康もますます順調に回復....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 「ことしは、いなごの災害のために、曹操は軍をひいたが、来春にでもなればまた、
捲土重来してくるだろう。その時、ふたたびまた、呂布が彼の背後を襲うような天佑があ....
「三国志」より 著者:吉川英治
がまた、深刻ににじみ出ているのが仰がれた。 李※の二軍が、その後、大軍を整え、
捲土重来して、洛陽へ攻め上って来るとの急報が伝えられて来たのである。 「曹操へつ....
「三国志」より 著者:吉川英治
らなかったし、しばしば土民から有利な敵の情報を聞くこともできた。 敵の袁紹は、
捲土重来して、四州三十万の兵を催し、ふたたび倉亭(山東省陽谷県境)のあたりまで進....
「三国志」より 著者:吉川英治
、後図を抱いて、毎日、魏の空を睨まえない日はなかった。 もちろん孔明その人も、
捲土重来をふかく期していたのである。彼は、そのまま漢中にとどまった。そして汲々と....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
違い、ひそかに期するところもあったのだ。 その期するものとは、いうまでもなく、
捲土重来、大挙して、都へのぼる日のことでしかない。――それにそなえるべく、今日最....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
湊川帖 ということにする。 洛中でやぶれた尊氏が、九州落ちとなって、やがて
捲土重来、湊川で正成とまみえるまでをその帖で書く。とくにこの問題の人の結論を私は....