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「捷径〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捷径の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間灰」より 著者:海野十三
署長は痛む腰骨を叩きながら云った。これは帰って、昨夜捕えた血まみれ男を調べる方が捷径に違いない。 一行は自動車で引揚げていった。 3 「村尾某の陳述....
赤外線男」より 著者:海野十三
飛び出した。 そこから、桃枝の家までは五丁ほどで、大した道程ではなかった。彼は捷径をして歩いてゆくつもりで、通りに出ると、直ぐ左に折れて、田中町の方へ足を向け....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
帰って行くような酷い親達から、金なんぞ貰う因縁が無えから、先刻の五十両を返そうと捷径をして此処に待受け、おもわず聞いた今の話、もう隠す事ア出来ねえだろう、お母さ....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
みを乞いつつ言った。 不気味に凄い、魔の小路だというのに、婦が一人で、湯帰りの捷径を怪んでは不可い。……実はこの小母さんだから通ったのである。 つい、(乙)....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
珍味でございます」 金博士をくどくには、いつの時代にあっても燻製料理によるのが捷径だという鉄則を、ルス嬢もはずさない。はずさないばかりか、ルス嬢は躊躇の色もな....
第四次元の男」より 著者:海野十三
るので、新宿から歩きだすと、途中で戸山ッ原のさびしい地帯を横断して帰るのが一等|捷径であった。だからそのときも、従来の習慣に従って、正にそうしたのであるが、その....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
に彼が風変りであるか、それを知るには、彼が私によく聞かせる夢の話を御紹介するのが捷径であろう。 かれ友枝は、好んで夢の話をした。彼が見る夢は、たいへん奇妙でも....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
て亜細亜人に好意を尽くすからである。土人の好意を利用して彼ら亜細亜人の海賊どもは捷径を撰んで奥地に分け入り、我々よりも一足先に宝庫の発見をとげはしないか? ――....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
文豪に西鶴なるもののある事を紹介されて以来、我らは発句を習熟することが文章上達の捷径なりと知り、その後やや心をとめて翫味するようになった。 二 余は一....
山吹」より 著者:泉鏡花
き風情に似ずやとて、―― 時 現代。 所 修善寺温泉の裏路。 同、下田街道へ捷径の山中。 人 島津正(四十五六)洋画家。 縫子(二十五)小糸川子爵夫人、も....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
たその二人は、紋着のと、セルの袴で。……田畝の向うに一村藁屋が並んでいる、そこへ捷径をする、……先乗とか云うんでしょう。 私は、笑いながら、 (お寺の、美人は....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
奈落へ堕して、……といって、自殺をするほどの覚悟も出来ない卑怯ものだから、冥途へ捷径の焼場人足、死人焼になって、胆を鍛えよう。それからだ、その上で…… ――(愛....
怪談牡丹灯籠」より 著者:鈴木行三
説を得るのみならず、従って予が発明せる速記法の便益にして必要なることを世に示すの捷径たるべしと、其の筆記に従事せんことを勧む。予喜んで会員酒井昇造氏と共に圓朝子....
馬の顔」より 著者:田中貢太郎
中へ落ちて茨に手足を傷つけられるかであった。そこは――学校の傍から――町へおりる捷径であった。普通に――町へ往くには学校の崖下になった広い街路を往くのであるが、....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
、中ノ谷でザラ峠への道と別れ、この乗越を踰えて御山谷に入り、一ノ越へ出るのが最も捷径であり、古くから利用されていたらしい。御山谷は残雪は少ないが、草地続きで偃松....