»
捺
「捺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
さ寒さの御見舞だけと申すのが、書けないものには、飛んだどうも、実印《じついん》を
捺《お》しますより、事も大層になります処《ところ》から、何とも申訳《もうしわけ》....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
のことはすこしも出て来ない。ヒムラー内相のことはデーニッツ新総統が不服従の烙印を
捺し、ヒムラー氏の対米英休戦申入れを許さずとしたとある。 いずれにしろ、ドイツ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
をしたので、川北老が、「はい。それでようがす」 と返事をした。 臼井は記名|
捺印《なついん》をして、その預り証を川北老に手渡した。川北老はそれをすみれ嬢に見....
「大脳手術」より 著者:海野十三
か五分間にて完了する。そうなれば太股の切口も、これに接ぐべき脚の切口も、はんこを
捺したように同一の配列、太さ、形をとるわけだ。だからあとは両者をぴたりと合わせて....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
て手ぐすねひいている新聞記者からは「事件迷宮入り」という香しくない烙印をたちまち
捺されてしまわねばならない。その間に立って、自分が苦心さんたんして進行係をつとめ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
者は、一体何をしゃべったのであろうか。不思議なことに、二人の話の内容は、はんこで
捺したように同じであった。違っていたのは、
「わが英国民諸君、および全世界の人類....
「火薬船」より 著者:海野十三
「ええ船長、竹見のいっていることは、本当です。間違いはありません。私は太鼓判を
捺しますよ」 そういったのは、竹見の相棒の水夫丸本だった。彼は、竹見から、密書....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
いまだ太刀を引いて逃げおおせた者がなかった。というのは、切りかけたが最後、印判で
捺したように天狗のために切り捨てられるのであった。 「手前手練の早業にてサッと切....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ンと倒れたかと思う。名古屋の客は、前のめりに、近く、第一の銅鍋の沸上った中へ面を
捺して突伏した。 「あッ。」 片手で袖を握んだ時、布子の裾のこわばった尖端がく....
「錦紗」より 著者:犬田卯
そ二十三になる今日まで――農村の習慣として女は二十歳をすぎれば婚期おくれの烙印を
捺される――誰も嫁にほしいと言ってくれる者がないのかも知れない。同年輩の多くのも....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
事、代理人、何某』と印刷された文書に、大きな、眼玉の飛び出しそうな朱印をきちんと
捺した督促状が、付近の債務者のもとへ届けられるようになったのである。 もっとも....
「米」より 著者:犬田卯
では供出して貰うことになる訳だな。」 書記は紙片へ書き込んで、それからおせきに
捺印させた。やがて調査の一行はどやどやと門口を出て行ったが、おせきは失神したよう....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
を交ぜてつくった、ばかりでなく、その上へご丁寧にも、人に盗まれまいために焼印まで
捺した草履だった。 Rのような、かかるコソ泥は、決してどこの村にも珍しくない存....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、胸が見えるんです。さ、遮るものなしに通った、心の記念に、見える胸を、笠を通して
捺塗って見て下さい。その幻の消えないうちに。色が白いか何ぞのように、胡粉とはいい....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
る神像を、衆人争って口吻す。あたかもわが国の風習、賓頭盧尊者の像を、手をもって撫
捺するに異ならず。サンピエトロの堂内に、彼得法王の偶像あり。人争い、ひざまずきて....