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「捻る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捻るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
妹なんざ、随分|脱兎のごとしだけれど、母様の前じゃほとんど処女だね。」 と髯を捻る。 十四 「で、何かね、母様は、」 と主税は笑いながら、わざ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
い何に必要だったのだろう?」と検事は法水の強喩法を平易に述べた。そして、開閉器を捻ると、 「まさか撮影用じゃあるまいが」と熊城は、不意の明るさに眼を瞬きながら、....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
背負っている、漂泊う門附の類であろう。 何をか働く。人目を避けて、蹲って、虱を捻るか、瘡を掻くか、弁当を使うとも、掃溜を探した干魚の骨を舐るに過ぎまい。乞食の....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
も、ああ、こりゃ不可え。」 と脇腹へ両肱を、しっかりついて、掻竦むように脊筋を捻る。 「ははははは、これはどうも。」と按摩は手持不沙汰な風。 女房|更めて顔....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ものの処へおいで下すった因果に、何事も忘れてお聞き下さい。 その蚤だか虱だかを捻る片手間に、部屋から下ったという蕎麦の残り、伸びて、蚯蚓のようにのたくるのを撮....
縁結び」より 著者:泉鏡花
と、それは閉めたままでおいたのである。 その間に、お君は縁側に腰をかけて、裾を捻るようにして懐がみで足を拭って、下駄を、謙造のも一所に拭いて、それから穿直して....
星女郎」より 著者:泉鏡花
夢中で居ながら、あれ、誰が来て怨む、彼が来て責める、咽喉を緊める、指を折る、足を捻る、苦しい、と七転八倒。 情人が押懸けるんです。自分で口走るので、さては、と....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
なさらぬ限りは慶安謀叛の真相とその発覚の顛末については、多くの後世の史家達も首を捻ることでございましょう。 待ち飽ぐんだものと見えまして、捕り方衆の立ち騒ぐ声....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れたのだ。そうすると、当然その部分に触れる度毎に、それから遠ざかろうとして身体を捻るだろうから、偶然そうして描かれて行った梵字様の痕跡が、左右寸分の狂いもなく、....
山吹」より 著者:泉鏡花
これからはじまった事かも知れない。……商売だからいくらでも売りはするが。(呑口を捻る)――親仁、またそこらへ打倒れては不可いよ。 人形使 往生寂滅をするばかり。....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ね子半纏。被せられるのを、 「何、そんな、」とかえって剪賊に出逢ったように、肩を捻るほどなおすべりの可い花色裏。雪まぶれの外套を脱いだ寒そうで傷々しい、背から苦....
雪柳」より 著者:泉鏡花
薪ゃ積まぬというのが唄にもある。こんな小さな家だって、これは譬えば、電気の釦だ。捻る、押すか、一たび指が動けば、横浜、神戸から大船が一艘、波を切って煙を噴くんだ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
なってしまった。この画房は椿岳の亡い後は寒月が禅を談じ俳諧に遊び泥画を描き人形を捻る工房となっていた。椿岳の伝統を破った飄逸な画を鑑賞するものは先ずこの旧棲を訪....
活人形」より 著者:泉鏡花
、死しおれるにもかかわらず。なお先刻の腹癒に、滅茶々々に撲り潰さんと、例の鉄棒を捻る時、銀平は耳を聳てて、「待て! 誰か門を叩くぜ。八蔵はよくも聞かず、「日が暮....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の電気が因です。次に、夕方になって暗くなりましたので私はスイッチを捻ります。この捻ることが縁であります。すると電球に灯が点ってテーブルの上を照らします。これが果....