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「捻れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捻れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たのです」 法水は笑った。ああ、凡ゆる情況が転倒されてしまったのだ。 「河竹の捻れた性根は、自分の悲運を何人かにも負担させようとして、実に驚くべき技巧を案出し....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いがね。無理でも不思議な生理を目指すより仕方があるまい。それに、疑問はまだ、後へ捻れたような右手の形にも、それから、右肩にある小さな鉤裂きにもあるのだ」 「いや....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
がほとんど軽快に近い症状だったのだ。麻痺が薄らいでいたと云う証拠には、腕が内側に捻れて指先が鉤形になっている。また、そう云う時には、肢を曲げるのに困難を覚えるの....
無惨」より 著者:黒岩涙香
しょう丁度二|尾の鰻を打違えに握った様に一ツは右へ抜け一ツは左りへ抜て段々とソレ捻れば捻るほど、ネエ、奇妙でしょう(荻)成る程奇妙だチャンと重さねて摘んだのが次....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
ッチを捻ってアーク燈をつけ、感光紙を廻転せしめよう。僕は居ながらにしてスイッチの捻れるように準備して置いたのだ。電燈がついて居ても曲線製造には差支えない。 電....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
た、面に、てらてらと沢があって、でっぷりと肥った、が、小鼻の皺のだらりと深い。引捻れた唇の、五十余りの大柄な漢が、酒焼の胸を露出に、べろりと兵児帯。琉球|擬いの....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
むけに突伏した、と思うと、ついと立って、茶の間へ遁げた。着崩れがしたと見え、褄が捻れて足くびが白く出た。 五 「ごめんなさい。」 返事を、引込め....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
あるが使えそうなものは一つもない。鏡が幾枚かあるがそれらに映る万象はみんなゆがみ捻れた形を見せる。物差のようなもので半分を赤く半分を白く塗り分けたものがある。私....
露肆」より 著者:泉鏡花
だ。皮剥一ツ買ったってお前、三銭はするぜ、買っとくんねえ、あ、あ、あ、」 と引捻れた四角な口を、額まで闊と開けて、猪首を附元まで窘める、と見ると、仰状に大欠伸....
工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
シングに関する各種多様の研究は皆三菱研究所で行ったものである。また器械の廻転軸の捻れを直接光学的に読み取るトーションメーターの考案も最も巧妙なものとして帝国学士....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
の「ユーレカ」だった。 仮りにストーブに火がついている時に、メートルのコックを捻れば、火は消えるではないか、もう一度捻れば、ガスがドンドン噴出するではないか。....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
にして導きながら、お葉は館の方へ走るのであった。 行くまいともがく松女の姿は、捻れ捩れ痛々しかった。 「お葉やお葉や堪忍しておくれ、あそこへばかりは妾は行けな....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
程是れは小せえ、それに引換え旦那などは座蒲団の上で、啣え煙管をしながら、一つ首を捻れば五千も八千も儲かるという其の人に比べれば、虫より小せいと云えば成程小せい、....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
主、この太腿で、一目瞭然たるものなんですよ」法水が白々し気に云い返した。「内側へ捻れているでしょう。これで下肢が完全ですと、恰度馬の足のような形が見られるのです....
三枚続」より 著者:泉鏡花
「厭、」という時、黒髪は崩るるごとく蔵人の背に揺れかかって真白な腕は逆に、半身|捻れたと思うと二人の者に引立てられて、風に柳の靡くよう、横ざまに身悶えした、お夏....