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授かり物
「授かり物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
授かり物の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ワ、そんなにいやがることはありませんねえ」 「そんなら、その着物はお雪ちゃんへの
授かり物だから、遠慮なく身につけているのが、かえって回向《えこう》というものかも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
して、二人の間に辞譲の押問答がはじまりました。 兵馬は、これはたしかに福松への
授かり物で、本来は、代官の胡見沢《くるみざわ》が百姓をしぼって淫婦お蘭に入れ揚げ....
「梅若七兵衞」より 著者:三遊亭円朝
ました、彼処へ往って置いて来ましょうか」 殿「いや其の方の手許に置いて宜かろう、
授かり物じゃ」 と早々石川様から御家来をもちまして、書面に認め、此の段町奉行所....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
馬「返せたッて此の人込の中で知れやアしません、へゝゝゝこりゃアお祖師様から私への
授かり物で、有難い、いえさ、向でもこの人込の中だから気が附きゃア仕ません、忘れて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
字を書いて、横目に金袋を睨《にら》んで、口にはよだれという体《てい》は、全く以て
授かり物、渡りに舟と言おうか、一方の旦那は、嗾《けしか》けて資本《もとで》を貸し....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
で、私が作歌を学ぶようになって以来、私は真淵崇拝であるところから、それを天からの
授かり物のように大切にして長崎に行った時にもやはり一しょに持って歩いていたほどで....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
居る。そういう尊い人ですからその人に逢えば誰も彼もが皆礼拝していろいろありがたい
授かり物をして来るのでありますが、しかしその人はその実俗人なんです。それはサッキ....
「魚紋」より 著者:吉川英治
不遠慮な欠伸をしていた。 山岡屋は、恟っとして、足を竦めた。 まるで、天から
授かり物のような今夜の使の話なのである。有卦に入るというのはこんなことだろうと独....