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掌る
「掌る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掌るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首を失った蜻蛉」より 著者:佐左木俊郎
屍に火を押し付けた。首の無い蜻蛉はまたばたばたと大きな翼を振り立てた。――神経を
掌る脳は無くなっても、局部に残る神経が、未だその機能を失ってはいないのだなと思っ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
ムニスト党は務めて国権を拡張し務めて民権を減縮して農工商の諸業をも悉皆国家の自ら
掌るを良好となす、けだし二党おのおの国権と民権の相分かるるゆえんを知らざればなり....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
〕 高橋虫麿 天平四年八月、藤原|宇合(不比等の子)が西海道節度使(兵馬の政を
掌る)になって赴任する時、高橋虫麿の詠んだものである。「言挙せず」は、「神ながら....
「雪の宿り」より 著者:神西清
は学匠のことだが、それを浴主などというのは可笑しい。浴主は特に禅刹で入浴のことを
掌る役目だからである。しかし由玄はこの通り名で、大|華厳寺八宗兼学の学侶のあいだ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
筆頭市中取締方兼帯という役をあい勤める。罪人の取調べ、市中の聞きこみ、捕物などを
掌るので、今でいうなら検事と捜査部長を兼ねたような役柄。これは大した威勢のもので....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
する。つまり、部署についてのことだ。不調法ながら拙者は、君命によって一隊の懸引を
掌る役目を承っている。また、ここにいる木村、野村の両人も、同志の手に余る敵のある....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
決定した。ただちに土方与志を葬儀委員代表に推し、前記の人々が葬儀委員として事務を
掌ることとなった。二十六日午前十時、築地小劇場に劇場員一同を集めて、青山杉作が以....
「申訳」より 著者:永井荷風
が五六人、料理人が若干人、事務員が二三人。是等の人達の上に立って営業の事務一切を
掌る支配人が一人、其助手が一人あった。数え来れば少からぬ人員となる。是の人員が一....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
とあるのもこれである。これけだし祝部すなわち神と人との間に立って、霊界との交通を
掌る能力あるものが、土人すなわち地主側のものの後裔に多く存する事を示したものと解....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
に※部または泥部と書いた次第は既に観察した。そしてハチヤは実にみずからその土師の
掌る葬儀の職に従事した土師人で、真の意味における間人と云ってしかるべきものであっ....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
ている最も大きな事件は、半島の経営であるが、それには武力が必要であるから、武事を
掌るオオトモ(大伴)氏やモノノベ(物部)氏やはそれについて重要のはたらきをしたの....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
如きも、もし中頃その職業を改めずして、祖先の土師氏の時のままに、いつまでも葬儀を
掌る家であったならば、いつの間にか夙の頭にされてしまったかもしれないのであります....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
やむをえなかった事である。主鷹司はもと兵部省の被管で、鷹を使って鳥を捕らせる事を
掌るの役所であった。したがって仏法の信仰から、この役所はしばしば廃せられたり、ま....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
、またハチヤともいう。土師の義である。 我が古代における葬儀のことは、土師部の
掌るところであった。葬儀は穢に触れるものとして、その専業者は自然他から卑しく視ら....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
高家というのは例の吉良上野介のような役目で、公家と武家との間に立って両者の交渉を
掌る職務であるところから、自然|賄賂を受ける機会も多くなる。ひとり上野介のみなら....