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掌上
「掌上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掌上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
出して、赤羽主任はその上へ拡げてみた。と、まさしく、ポトリと音がして、赤羽主任の
掌上には、一滴の血潮が、円点を描いた。 「ヤッ血だ!」 一層|頻繁に落ちて来る....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
たに宗門に投ずる者を次第に増さしめた。四郎天を仰いで念ずると鳩が飛んで来て四郎の
掌上に卵を産み、卵の中から天主の画像と聖書を出したとか、一人の狂女が来ったのに四....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
様にしたらどうだ。一時も早く裁判に廻って、潔く服罪した方が好いじゃないか。僕も職
掌上出来るだけ君の罪が軽くなるようにしようし、君だって相当の財産があるのだから、....
「春六題」より 著者:寺田寅彦
実在の中核を把握したと思われる事でなければならない。複雑な因果の網目を枠に張って
掌上に指摘しうるものとした事でなければならない。 この新しい理論を完全に理解す....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
用すれば、一粒の芥子種の中に須弥山を収めることなどは造作もないことである。巨人の
掌上でもだえる佳姫や、徳利から出て来る仙人の映画などはかくして得られるのである。....
「映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
それを取り上げられて後にまた第二のピストルをかくしに探るところなどは巧みに観客を
掌上に翻弄しているが、ここにも見方によればかなりに忠実な真実の描写があり解剖があ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
、清浄安静に生活した。眼前は日に日に朗らかに開けて、大千世界を観ること漸くにして
掌上の菓を視るが如くになり、未来は刻々に鮮やかに展じて、億万里程もただ一条の大路....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
なるか分らないが、ともかくも今まで片側だけしか見る事の出来なかった世界は、これを
掌上に置いて意のままに任意の側から観る事が出来るようになった。観者に関するあらゆ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
て書き記したもので、この本一冊持っていさえしたら、世界のあらゆる出来事はさながら
掌上を指すがごとく理解出来るのでございます。で、拙者はこの書物を『聖典』と呼ぶこ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
ドーブレクも懐中のピストルを握る。二秒三秒……冷然としてルパンは手を突き出した。
掌上には小さな金紙を貼った小函一箇。開いたままドーブレクに差し出した。 『飴菓子....
「頭蓋骨の秘密」より 著者:小酒井不木
く、義理のために白状したのだと信じて自分で取り調べようかとも思われたのですが、職
掌上面白くないから、俊夫君に事件の捜査を依頼に来られたのであります。 「承知いた....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
も四、五羽相集め、暇さいあればこれを撫育いたしおり候に、小鳥もまた押馴し、食物を
掌上に載せ出だせば、来たりてこれを啄み、少しも驚愕畏懼の風これなし。人慣れ、籠慣....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
二葉亭は眼を細くして、「これこれ、復たそんな意地汚なをする」と静かに膝へ抱取って
掌上へ菓子を取って喰わせながら、「放任教育だから行儀が悪くて困る、」と猫の頭を撫....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
居りますから、外の事は何もやらないです。また高等官及び高等僧官等もすべて自分の職
掌上の事に追い廻されて居りますから、他の事はどうなって居るかという事も気が付かぬ....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
ばれて、社寺都邑の掃除夫・井戸掘り・駕輿丁・植木屋などの雑職をつとめ、勿論その職
掌上、世間から幾分賤視されてはいたであろうが、決して彼らのみが特別に穢れたものと....