掌中の珠[語句情報] »
掌中の珠
「掌中の珠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掌中の珠の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
ると思ったことが、今や余命いくばくもないこの重傷者の唇から聞けないと分ると、彼は
掌中の珠を奪われたように、残念に感じたのだった。 といって、あの外国船について....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
いう命の季節は、いつ来て いつ去るともなしに、過ぎてしまった。 36 ああ、
掌中の珠も砕けて散ったか。 血まみれの肺腑は落ちた、死魔の足下。 あの世から帰っ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
、ジダラクな連中の集るところぢや見せしめになることもあるでせうよ」 返事一つで
掌中の珠を失ふから、御無理ゴモットモ、仕方がない。するとます/\見抜かれてしまつ....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
しても許さなかった。父にして見れば早く妻に別れて、男手一つで育て上げた一人息子は
掌中の珠より可惜しかった。その大事な息子の魂が、父の見解に従うと売女としか思えな....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
屋の店を退いて家に帰ったので、彼女の店にせっせと通って不要な煙草を買った連中は、
掌中の珠を奪われたかのように落胆した。しかも彼女は家に帰ると間もなく、下宿人の一....
「ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
こまったオッチョコチョイ娘ですよ。ではおたのみしましたわよ、これでも私の一人娘、
掌中の珠みたいなものですから、そそっかしくあつかわないでちょうだい、ではよろしく....
「三国志」より 著者:吉川英治
る逆臣ですぞ」 「…………」 「もし、あなたまでが同意で奉公に出したなら、それは
掌中の珠をわざわざ泥のうちへ落したようなものだ」 「…………」 「どうじゃな、お....
「三国志」より 著者:吉川英治
君の船を囲んで、夏口へ引揚げた。 玄徳の立ち帰った後――呉の陣中では、周瑜が、
掌中の珠を落したような顔をしていた。 魯粛は、意地わるく、わざと彼にこういった....