排他[語句情報] » 排他

「排他〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

排他の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
二元のために、特に二元の隔在的《かくざいてき》沈潜のために形成さるる内部空間は、排他的完結性と求心的緊密性とを具現していなければならぬ。「四畳半《よじょうはん》....
惜別」より 著者:太宰治
矢島ひとりではない。田舎っぺいの取巻きがたくさんいる。僕はこの機会に、あいつらの排他的な思想を膺懲してやろうと思っているのだ。お互いに紳士じゃないか。思想の合戦....
」より 著者:池谷信三郎
劫の運行を続け、人生がまた同じ歩みを歩んで行くことが、なぜか彼女にとって、ひどく排他的な意地悪るさを感じさせた。彼女は今、自分が残してきた巷の上に、どんよりと感....
男女関係について」より 著者:大杉栄
、僕に他の女のあるということが、どうしても君には話すことができなかった。君には、排他的の厳重な一夫一婦という、一種の理想があった。そこで君は、しきりと僕に、他の....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ろう。だからストランドには、どこまで往ってもおたがいに全然無関係な散歩者の列が、排他的に散歩のために散歩し、ピカデリイでは、芝居の切符を買う人が人道に椅子を据え....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
い。われ等は宗派的論争には興味を有たない。何となれば、そはただ怨恨、嫉妬、悪意、排他的感情の原動力以外の何物でもないことを知っているからである。 われ等が宗教....
続堕落論」より 著者:坂口安吾
文化の本質は進歩ということで、農村には進歩に関する毛一筋の影だにない。あるものは排他精神と、他へ対する不信、疑ぐり深い魂だけで、損得の執拗な計算が発達しているだ....
戦争論」より 著者:坂口安吾
する公正なる魂は失われているのである。 宗教も、言論も、自由でなければならぬ。排他的、禁止弾圧の精神は、暴力に異ならず、すでに戦争の精神である。共産主義に於け....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
して農村は淳朴だなどと云って、疑ることなどは金輪際ない。 奈良朝の昔から農村の排他思想というものはひどいもので、信頼するのは部落の者ばかり、たまたま旅人が行き....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
たる態勢のものとなり得ない事となるのである。あれも日本的でない、これもいけないと排他的に考えるよりも、一切の善きもの、世界の美のあらゆる範疇を日本美に抱摂すべき....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
分に引取って面白くもない自己吹聴を並べたてる回々教徒の女の誇張した恍惚感の説明や排他的な語気は、たとえ相客が表面無礼を感ぜぬように装って居るにしても主人側から見....
丸の内」より 著者:高浜虚子
今の世の姿そのままをそこに描き出したような世の中に住まっていたろう。人々の嫉妬、排他、小智、頑冥等は今目のあたり見るところと何の差異も無かったろう。そんな世界が....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
リは朝鮮もしくはシャムのごとしといいたるは、一理なきにあらず。また、チリ人は自尊排他の風ありという。これけだし、従来その位置アンデス山陰の僻陬にありて、ほかと交....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
得、次では生存の上の決定的優勝が各自に期せられてあらねばならぬ。生か死かである。排他、脅迫、防禦、突進、乱闘、流血、 ぎゃお、わお、がお、うわアああ、わお、お....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
れて来た。勿論知らぬ同志であるから多少気まずい点はあろうと考えていたが、斯く迄に排他的であろうとは全く予想しなかった。例えば食料品を持った若者の荷は、日毎に其量....