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排他的
「排他的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
排他的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
二元のために、特に二元の隔在的《かくざいてき》沈潜のために形成さるる内部空間は、
排他的完結性と求心的緊密性とを具現していなければならぬ。「四畳半《よじょうはん》....
「惜別」より 著者:太宰治
矢島ひとりではない。田舎っぺいの取巻きがたくさんいる。僕はこの機会に、あいつらの
排他的な思想を膺懲してやろうと思っているのだ。お互いに紳士じゃないか。思想の合戦....
「科学論」より 著者:戸坂潤
間に於ても、立場のこの種の絶対的な対立は決して珍しくはないのである。ここには全く
排他的な矛盾が横たわっている。――尤も簡単に言って了えば、真理には二つないので、....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
一つであるので、之の否定、即ち因果必然的に真理に外ならない。因果は確率と、単純に
排他的に固定化されて対立する。実際、機械論的因果の概念によれば、因果は専ら事物乃....
「橋」より 著者:池谷信三郎
劫の運行を続け、人生がまた同じ歩みを歩んで行くことが、なぜか彼女にとって、ひどく
排他的な意地悪るさを感じさせた。彼女は今、自分が残してきた巷の上に、どんよりと感....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
、僕に他の女のあるということが、どうしても君には話すことができなかった。君には、
排他的の厳重な一夫一婦という、一種の理想があった。そこで君は、しきりと僕に、他の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ろう。だからストランドには、どこまで往ってもおたがいに全然無関係な散歩者の列が、
排他的に散歩のために散歩し、ピカデリイでは、芝居の切符を買う人が人道に椅子を据え....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
賭博殿堂へ、私――GEO・タニイ――と、彼の蝶形|襟飾と白|襯衣の胸板とが、いま
排他的に社交界めかして舞台しているのである。マダム・タニイは巴里トロンシェ街の衣....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
トラカンを肩まで辷らせたまま、彼女が反問した。 『こんなに理解のある方々とだけ、
排他的に同席出来るということは、私にとって珍しい名誉です。私は自分の健全な自由さ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
い。われ等は宗派的論争には興味を有たない。何となれば、そはただ怨恨、嫉妬、悪意、
排他的感情の原動力以外の何物でもないことを知っているからである。 われ等が宗教....
「さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
ルギーに充たされた空間の中を縫うて来る涼風に接したときに、暑さと涼しさとは互いに
排他的な感覚ではなくて共存的な感覚であることに始めて気が付いたのである。暑いと同....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
する公正なる魂は失われているのである。 宗教も、言論も、自由でなければならぬ。
排他的、禁止弾圧の精神は、暴力に異ならず、すでに戦争の精神である。共産主義に於け....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
たる態勢のものとなり得ない事となるのである。あれも日本的でない、これもいけないと
排他的に考えるよりも、一切の善きもの、世界の美のあらゆる範疇を日本美に抱摂すべき....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
分に引取って面白くもない自己吹聴を並べたてる回々教徒の女の誇張した恍惚感の説明や
排他的な語気は、たとえ相客が表面無礼を感ぜぬように装って居るにしても主人側から見....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
れて来た。勿論知らぬ同志であるから多少気まずい点はあろうと考えていたが、斯く迄に
排他的であろうとは全く予想しなかった。例えば食料品を持った若者の荷は、日毎に其量....