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「掘井戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掘井戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
細長いものとが動いていた。「おおい」と呼ぶと下でも「おおい」と答える。小さい時に掘井戸の上から中をのぞきこんでおおいと言うとおおいと反響をしたのが思い出される。....
新生」より 著者:島崎藤村
のために造った座敷牢は裏の木小屋にあった。そこは老祖母さんの隠居部屋と土蔵の間を掘井戸について石段を下りて行ったところにあった。前には古い池があり、一方は米倉に....
」より 著者:島崎藤村
から裏口へ廻って来た。飲水を汲む為には、唐松の枝で囲った垣根の間を通って、共同の掘井戸まで行なければ成らなかった。 前の晩に見たよりは、家の内の住み荒された光....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の質素な木造。立派ではないが建て離しの納屋、浴室、窖室もあり、裏に鶏を飼い、水も掘井戸、山から引いたのと二通りもあって、贅沢はないが不自由もない住居だ。翁は此処....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
では「ひやっこい/\」といって、水を売ったものです。水道の水は生温いというので、掘井戸の水を売ったので、荷の前には、白玉と三盆白砂糖とを出してある。今の氷屋のよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 こうして、この門前をうろつき出したやくざ野郎は、ほどなく、代官屋敷の裏門の掘井戸のところへ姿を現わしたことを以て見ると、求むるところのものに、同時にありつ....
竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
の花の咲いているような、黄金が途上《みちばた》にもざくざく零《こぼ》れていれば、掘井戸のなかからも湧《わ》いて出るといったような、豪華な放縦《ほうじゅう》な、人....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ていられました。 門前には大きな柳があり、這入った右側は梅林でした。梅林の奥に掘井戸があります。向島は湿地で、一体に井戸が浅いのですが、それでも水はよいのでし....
三枚続」より 著者:泉鏡花
庵と称して聞えた典薬頭、今も残っている門内|左手の方の柳の下なる、この辺に珍しい掘井戸の水は自然の神薬、大概の病はこれを汲めばと謂い伝えて、折々は竹筒、瓶、徳利....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
る。 垣隣りは、城勤めの黒鍬の者か、足軽のような軽輩な者の住居らしい。その境の掘井戸へお吉がなにげなく水桶をさげてゆくと、家の横に三人の侍が、黒い影をたたずま....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
いる。水道やポンプの普及するよりもまえから、横にも竪にも水をひく工事は発達して、掘井戸は家々にちかくなり、共同の泉まで汲みにゆくひつようが、多くの村里ではなくな....