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掛かった
「掛かった〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掛かったの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
軍の一喝 一寸《ちょっと》した実例を示せば、我等が船負《ふなふ》という村に差し
掛かった時だ。一行は朝から重い天幕《てんと》だの、写真器械だの、食糧品だの、雑嚢....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
た。豹一の子供じみた頭や、むやみに上着の袖の長い如何にも新入生らしい服装をなめて
掛かったのか、委員は、 「推戴式に出ないと、承知せんぞ!」と威喝した。豹一の自尊....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
た親父がその竈の下を焚いている。框がだだ広く、炉が大きく、煤けた天井に八間行燈の
掛かったのは、山駕籠と対の註文通り。階子下の暗い帳場に、坊主頭の番頭は面白い。 ....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
時には、僕は全くびっくりした。実に見事な偶然だよ。余りに見事過ぎて、君は罠に引っ
掛かったのだ」 「じゃあいったい、犯人は誰です」 司法主任が云った。 東屋氏....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
。馬鹿な奴だ。己れはどうもしやしない。」 そこで犬は小股に歩いて、百姓の側へ行
掛かった。しかしその間に百姓の考が少し変って来た。それは今まで自分の良い人だと思....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
れ理由はあるのでしょう。 ところが雑踏の浅草境内の加之真昼間往来中でこの掛声が
掛かったのです。そうして何んと不思議な事には、いまし方迄歩いていた編笠を冠った其....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
一羽は頭、一羽は尻、一羽は腹、二羽は胴、化鳥の急所を狙うと見る間に一度に颯と飛び
掛かった。 ワッと揚がる鬨の声。お供の連中が叫んだのである。 「もう大丈夫! ....
「人造物語」より 著者:海野十三
らあったもので、僕が少年時代、神戸の湊川が、まだ淋しい堤防であったとき、その上に
掛かった小屋で、「活人形」を見たのを覚えている。もう二十年以上も昔のことである。....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
、生気地なくベタベタと地へ坐った。 「エイ!」と右手の藪陰からその時に鋭い掛声が
掛かった。 「うむう」と同時に呻き声がした。クルリ体を廻したかと思うと、仰向けに....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
そうすると支倉君、あの神通自在な供奉鳥は、忽ちに階段を下り、夢中の推摩居士に飛び
掛かったのだよ」 そう云ってから法水は、唖然とした検事を尻眼にかけて立ち上り、....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
へ行ったやら少しも知れなかった。大炊之助の方でも心配して、村人を催して大捜索に取
掛かった。 「五兵衛太の娘の小露の行方も知れぬ」村一番の美しい娘、それの行方も知....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
がさて道中いろいろ面白い仏教の話が出て来ました末彼は私の素性を探ろうということに
掛かったです。で、どうも英国の人ではあるまいか。英国人でないにしろヨーロッパ人種....
「女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
って走っていて、その先は地平線のあたりで、一つになって見える。左の方の、黄いろみ
掛かった畑を隔てて村が見える。停車場には、その村の名が付いているのである。右の方....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
の男の体から目を離すことが出来ない。この若々しい、少しおめでたそうに見える、赤み
掛かった顔に、フレンチの目は燃えるような、こらえられない好奇心で縛り附けられてい....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
掲げられ、あの狭い境内に、猿芝居やのぞきからくりなんかの見世物小屋が二つも三つも
掛かったのを覚えているが、外でもそうであるように、時勢と共にいつとはなしにその影....