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掛かり
「掛かり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掛かりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ぼ》えたりしが、やがて拾い取りて月に翳《かざ》しつつ、 「これを証拠に訴えれば手
掛かりがあるだろう。そのうちにはまたなんとか都合もできよう。……これは今死ぬのは....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
れ貴客、代官婆だけに思い込んでおりますのでございます。 その、大蒜屋敷の雁股へ
掛かります、この街道、棒鼻の辻に、巌穴のような窪地に引っ込んで、石松という猟師が....
「迷信解」より 著者:井上円了
といって差し支えない。ただし、かかる場合には、たぶん目前に妄想を呼び起こすべき手
掛かりとなるものがある。例えば、衣服の木にかかりたるを見て幽霊の想像を浮かべ、幡....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
、紙片をいまいましく眺める。 もうすこしで解けるような気がする。それでいて、手
掛かりが見つからない。脳髄がちょっとすねているらしい。 どうしてやろうか。 ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
をおそれ、地表と地中との交通路は、空気をなるべく洩《も》らさないように、厳重な仕
掛かりでふせいである」 「なるほど。それでさっきのトンネルや回転扉の話とつづくん....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
りか、近き将来大爆発を起すのではないかとも思われたし、そうかといってこれだけの大
掛かりの出張員たちがいつ消えるとも分らぬ火災を傍観しているばかりでも済ましていら....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
々です。で、これらの謎を解くために、最も常識的な順序として、ただ一つの現実的な手
掛かりであり、私の最も興味を覚えた品である、このマベ貝の研究にとりかかりました。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
念を起こさせるようなありきたりの洗面装置があり、歯ブラシよりも大型の雨傘が楽らく
掛かりそうな、役にも立たない褐色の木の棚が吊ってあった。余分な掛け蒲団の上には、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であろう。なにしろ其の正体を見とどけなければ安心が出来ないので、若い者も小僧も総
掛かりで毒蛇のゆくえを詮策したが、家内《かない》は勿論、庭にもそれらしい姿は見い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けが判らねえので、どこから手を着けていいか見当が付かねえ。こうなると、なんでも手
掛かりのある所から手繰《たぐ》って行くよりほかはねえ。弥助、おめえは、天神下に行....
「世相」より 著者:織田作之助
ごとでなく眺めた。自分もいつかはこの闇市に立たねばならぬかも知れぬのだ。親子三人
掛かりで、道端にしゃがみながら、巻寿司を売っているのもいた。 闇市を見物してし....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
上の土手が、新見附に至るまでずっと公園として開放されるそうで、すでにその工事に取
掛かり今月中には出来上るとの話である。それが実現された暁にはあのあたり一帯に水上....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
と、お立ち寄り下さいましたのでございます。……お坊主の鴎硯様は、お光の方様のお声
掛かりで、途中を護って下さいましたので。……」 「それで、二人は、座敷へ上がった....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
夫れと同時に右手が突然胸元まで上がり、何かピカリと閃めいたかと思うと一刹那掛声が
掛かりました。 「えい」でも無ければ「ヤッ」でも無い。それは、「カーッ」という掛....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
その眼で計っていたが、若々しい鋭い元気のよい声で「ヤッ」と一声かけたかと思うと手
掛かりもない塀の面をスーッと頂上まで駈け上がったがそこでぐるりと振り返り、きわめ....