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「掛く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掛くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
《おつり》が足りない。私もあいにく小《こま》かいのが……」 と腰なる蟇口に手を掛くれば、 「いいえ、いいんですよ」 世話人は呆《あき》れて叫びぬ。 「これだ....
天守物語」より 著者:泉鏡花
てちっと重くなった。(蓑を脱ぐ)取っておくれ。 撫子、立ち、うけて欄干にひらりと掛く。 蝶の数、その蓑に翼を憩う。……夫人、獅子頭に会釈しつつ、座に、褥に着く。....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
の方が適当でありますので。(金光|燦爛たる洋綴の書を展く。) 公子 (卓子に腰を掛く)たいそう気の利いた書物ですね。 博士 これは、仏国の大帝|奈翁が、西暦千八....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
、白いのでございますもの。 晃 そりゃ、米を磨いでいるからさ。……(框の縁に腰を掛く)お勝手働き御苦労、せっかくのお手を水仕事で台なしは恐多い、ちとお手伝いと行....
紅玉」より 著者:泉鏡花
と且つ寂しき顔。酔える足どりにて登場)……落第々々、大落第。(ぶらつく体を杖に突掛くる状、疲切ったる樵夫のごとし。しばらくして、叫ぶ)畜生、状を見やがれ。 声に....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
白菊を偶と見て、空瓶の常夏に、膝をつき、ときの間にしぼみしを悲む状にて、ソと息を掛く。また杯洗を見て、花を挿直し、猪口にて水を注ぎ入れつつ、ほろりとする。 村越....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
の。仲町に評判な内があるんですわ。 早瀬 髷形を、お蔦。(思わずそのつつみに手を掛く)俺の位牌でも買や可いのに。 お蔦 まあ、お位牌はちゃんと飾って、貴方のおふ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
は疲れた状して、先刻からその裾に、大きく何やら踞まった、形のない、ものの影を、腰掛くるよう、取って引敷くがごとくにした。 路一筋白くして、掛行燈の更けたかなた....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ともにたちまち令夫人とならるる、その片袖である。自分は生命を掛けて恋した、生命を掛くるのみか、罪はまさに死である、死すともこの革鞄の片袖はあえて離すまいと思う。....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
の汚になります。ねえ。」 とわが顔に頬をあてて、瞳は流れるるごとく国麿を流眄に掛く。国麿は眉を動かし、 「馬鹿、年増の癖に、ふむ、赤ン坊に惚れやがったい。」 ....
多神教」より 著者:泉鏡花
児五、六人。 禰宜 (略装にて)いや、これこれ(中啓を挙げて、二十五座の一連に呼掛く)大分日もかげって参った。いずれも一休みさっしゃるが可いぞ。 この言葉のうち....
妖怪学」より 著者:井上円了
女は、左の方の小指をはじめにして同様にすれば、風を引くうれいなし。これは、常に心掛くればできやすきことなれば、たとえ前条のくせなきも、この方を用いて爪をとるべき....
迷信解」より 著者:井上円了
るものである。よくこの歌や諺の意味を味わいて、怪しげなる加持祈祷をせざるように心掛くることが肝要である。 世にマジナイと称するものありて、その効験を信ずるもの....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
たかも芝居にて席費を収入するがごとし。そのほか、寺の堂内の柱には必ず数個の銭箱を掛くるを見る。その箱の上には、あるいは貧民のためと書し、あるいは廃疾病人のために....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
年にして、軒前旭旗と松竹を飾る家、いたるところに櫛比し、また海岸には漁船の旭旗を掛くるもの多く、一見日本の孤島に来たるの思いをなす。日本新聞も『布哇新報』、『布....