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掛けても
「掛けても〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掛けてもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
、毎夜の大阪の盛り場歩きもふと放浪者じみていたので、自然心斎橋筋や道頓堀界隈へ出
掛けても、絢爛たる鈴蘭燈やシャンデリヤの灯や、華かなネオンの灯が眩しく輝いている....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。彼は眼の前にならんでいる膳を見ながら、好きな酒の猪口をも取らなかった。話を仕
掛けても碌々に返事もしなかった。 小間物屋の徳三郎とお熊との関係はもう判った。....
「妖術」より 著者:泉鏡花
に出た処、いささか懐中に心得あり。 一旦家へ帰ってから出直してもよし、直ぐに出
掛けても怪しゅうはあらず、またと……誰か誘おうかなどと、不了簡を廻らしながら、い....
「地中魔」より 著者:海野十三
あれは――」 「なアんだ、あのトラックかい」先生は眼をパチクリして、「あれなら追
掛けてもよろしい」 「へえー」 二人はむきになって、貨物自動車隊を見失うまいと....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
博士は地球出発以来、その実験をいくども繰返しているのだ。だからおれは、その器械に
掛けてもらって、地球へ戻してもらおうと思ったのさ。どうだね、話の筋道はちゃんと立....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
あれ、晃さん、お客様、私が行きます、私を遣って下さいまし。 晃 ならん、生命に
掛けても女房は売らん、竜神が何だ、八千人がどうしたと! 神にも仏にも恋は売らん。....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
込んでいるて。拙者、足軽ではござれども、(真面目に)松本の藩士、士族でえす。刀に
掛けても、追つけ表向の奥方にいたす、はッはッはッ、――これ遁げまい。 撫子、欣弥....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、旦那を頼む、と云う。 取巻きの芸妓たち、三人五人の手前もある。やけに土砂を振
掛けても、突張返った洋服の亡者|一個、掌に引丸げて、捌を附けなけりゃ立ちますまい....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
屓だから、栗鼠にしておく。)後脚で飛ぶごとく、嬉しそうに、刎ねつつ飛込んで、腰を
掛けても、その、ぴょん、が留まないではずんでいた。 ――後に、四童、一老が、自....
「十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
だろう。」 「じゃ、うっかり死ぬわけには行かないネ。無銭飲食をした揚句、自殺と出
掛けても娑婆から借金取りが無線で押し寄せるなぞ、洒落にもならない。この世の悪事は....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
成らなかった。いつしか左右の手にも藻は搦んだ。腰にも、腕にも、脇の下から斜に肩へ
掛けても犇々と搦んだ恐ろしい性の悪い藻で有った。 斯う見ては竜次郎、如何しても....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、止むを得ず……悪く思わないで下さい……まったく止むを得ず、茶屋から、楽屋へ声を
掛けてもらったんですから。しかし、大入で、何より結構。」 「お庇様で、ここん処、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
よう。…… 墓へ入口の、やや同じたけの松の根に、ちょっと蟠って高いから――腰を
掛けても足が伸びるのに、背かがみになった膝に両手を置いて、多津吉は凝と視ていた。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ることがあっても、わたしは型ばかりの会釈するに止まって、かれが如才なく話などを仕
掛けても、詞すくなに応答していた。したがって、彼とわたしとは全然他人であったので....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
夫頭を呼んで言いますには、「全く掛け声しないのも永年の習慣で気が済むまい。だから
掛けてもいいが、終いの方の文句だけに致せ。はじめの方は倹約致せ」といいつけました....