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「掛る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掛るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
「相かわらず大な尻だぜ、台所充満だ。串戯じゃねえ。目量にしたら、およそどのくれえ掛るだろう。」 「お前さんの圧ぐらい掛ります。」 「ああいう口だ。はははは、奥さ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
できたが、それは実にばく大なものであって、光線がこの星から太陽まで届くのに一〇年掛るということが分った。それでこの距離を表わすのに一〇光年という言葉を使う。一光....
天守物語」より 著者:泉鏡花
手、槍にて立ちかかる。獅子狂う。討手|辟易す。修理、九平等、抜連れ抜連れ一同|立掛る。獅子狂う。また辟易す。 修理 木彫にも精がある。活きた獣も同じ事だ。目を狙....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ありませんでしたが、もしやの時と、皆が心掛けておきました、蝋燭を点けて、跡始末に掛ると、さあ、可訝いのは、今の、怪我で取落した小刀が影も見えないではありませんか....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、(風呂が沸いた)で竹法螺吹くも同然だが、東へ上って、箱根の山のどてっぱらへ手が掛ると、もう、な、江戸の鼓が響くから、どう我慢がなるものか! うっかり謡をうたい....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ら電車に乗ろうと、水のぬるんだ、草萌の川通りを陽炎に縺れて来て、長崎橋を入江町に掛る頃から、どこともなく、遠くで鳴物の音が聞えはじめた。 松崎は、橋の上に、欄....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
く仕掛けなんです。」 やがてむらむらと立昇る白い煙が、妙に透通って、颯と屋根へ掛る中を、汽車は音もしないように静に動き出す、と漆のごとき真暗な谷底へ、轟と谺す....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
もっともね、居ると分ったら、門口から引返して、どこかで呼ぶんだっけ。媽々が追掛るじゃないか。仕方なし奥へ入ったんだ。一間しかありやしない。すぐの長火鉢の前に....
南地心中」より 著者:泉鏡花
ないじゃ気が残るようだね。」 「え、私も気になりますがね、だって、日が暮れるまで掛るかも知れませんから。」 「妙に残惜いようだよ。」 男衆は、汀の婦にちょいと....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ない。酒でも催促するようで癪だからこっちからは出向かずと――塾では先生にお目には掛るが、月府、弁持、久須利、荷高の面々が列している。口留をされたほどだから話は出....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
棒千切を持って健坊が顔を出した。田圃へお出で、と云うと、 (厭だべい。) で突掛るように刎附ける、同じ腕白|夥間に大勢|馴染が出来たから、新仕込のだんべいか何....
多神教」より 著者:泉鏡花
村人らも引入れられ、小首を傾くる状、しかつめらし。 仕丁 はあ、皆様、奴凧が引掛るでござりましょうで。 ――揃って嘲り笑う。―― 神職 出来た。――掛ると言え....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、松の葉|越に差窺うと、赤ちゃけた、ばさらな銀杏返をぐたりと横に、框から縁台へ落掛るように浴衣の肩を見せて、障子の陰に女が転がる。 納戸へ通口らしい、浅間な柱....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
鞍傍についていた。寂しい道だし、一人でも連は難有いと喜んだのに、宿はずれの並木へ掛ると、奴が綱に代って、親仁は啣煙管で、うしろ手を組んで、てくりてくりと澄まして....
式部小路」より 著者:泉鏡花
乗り入れたその車。髷の島田の気高いまで、胸を屹と据えていたが、母衣に真白な両手が掛ると、前へ屈んだ月の俤、とばかりあって、はずみのついた、車は石段で留まったので....