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掛図
「掛図〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掛図の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ものをしている。その眼の前の壁には、学校で使い古したらしい仏蘭西《フランス》の大
掛図《おおかけず》が、皺くちゃのまま貼りつけてある。突然玄関の方で、彼の情婦が、....
「赤外線男」より 著者:海野十三
長い室だが、手前の方に、拳銃を並べてある高い台があって、遥か向うの壁には、大きな
掛図のような的がかかっていた。その的というのは、白い紙の上に、水珠を寄せたように....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
は学校に行って、校長に会った。授業中なので、三十分ほど教員室で待った。教員室には
掛図や大きな算盤や書籍や植物標本やいろいろなものが散らばって乱れていた。女教員が....
「流線間諜」より 著者:海野十三
してよいやら、皆目見当がつかず呆然としてその前に立ち尽すばかりだった。――この壁
掛図が、部屋飾りのために掛けてあるのでもなく、また偶然そこにあったというのでもな....
「空襲警報」より 著者:海野十三
しく駈けてゆく。参謀が地図の上に赤鉛筆で数字を書き込む。副官が奥の戸棚から大きな
掛図を小脇にかかえてきて、下士官に渡す。下士官は要領よくそれを壁に掛けてゆく。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かった眼界を開かれて行くということを感ぜずにはおられません。 船長室には種々の
掛図や機具があるほかに、最も大きなる世界の地図が掲げてあります。 話題のついで....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
せに用いた。文部省で東京と大阪とに師範学校を置き、そこから、読本とか、実物指教の
掛図とかを頒布したのは、まだまだ後の事である。それから小学校を設けるといっても別....
「人形の話」より 著者:折口信夫
存在である。こちらにくると観音さまや天照大神または蚕玉さま(蚕の守護神)の画像(
掛図)になっている。これは大きな変化である。金田一先生は「おしらさま」は「おひら....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
たが、たまたま何かの教材の参考資料として、英国製で綺麗な彩色絵の上に仮漆を引いた
掛図を持出し、その中のある図について説明をした。その図以外に色々珍しい何だか分か....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
れる。それから瓦という日本語が出来てきた。私共が小学校に行っていた明治八年頃に、
掛図がありまして、
掛図の一番初めの図に「瓦」がありました。なぜ「カハラ」と書かな....
「小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
ず骨を作りて後に肉を附くるを順序とす、習字は真より草に入るべしとて、かの小学校の
掛図などに楷書を用いたるも、この趣意ならん。一応もっとも至極の説なれども、田舎の....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
前生の因縁を説くものであった。百舌と時鳥とは古い友人であるが、百舌が唐から本尊の
掛図を盗んで来たのを知って、いつも時鳥が「本尊掛けたか」と啼く故に、これに閉口し....