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掛屋
「掛屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掛屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
んのじょう》が鳥追姿《とりおいすがた》のおこよを見そめた時にも、あるいはまた、鋳
掛屋《いかけや》松五郎が蝙蝠《こうもり》の飛びかう夏の夕ぐれに、天秤《てんびん》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 芝、田町《たまち》の鋳
掛屋《いかけや》庄五郎が川崎の厄除《やくよけ》大師へ参詣すると云って家を出たのは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちおち睡られなかった。 おまきの家の猫はゆうべのうちにみな帰っていた。ことに鋳
掛屋の女房の話を聴いて、長屋じゅうの者は眼をみあわせた。普通の猫が立ってあるく筈....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
合な話だが、呉の劉綱その妻|樊《はん》氏とともに仙となり、大蘭山上の巨木に登り鋳
掛屋《いかけや》風の夫婦|連《づれ》で飛昇したなどその例多し。蜻※《とんぼ》や蝉....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
の方がさばさばします。」 何としても、これは画工さんのせいではない――桶屋、鋳
掛屋でもしたろうか?……静かに――それどころか!……震災|前には、十六七で、渠は....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
所が山奥でございましょう。どうもね、余り美しくって物凄うございました。」 と鋳
掛屋が私たちに話した。 いきなり鋳
掛屋が話したでは、ちと唐突に過ぎる。知己にな....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
誰れに限らず、藩外へ旅行する時と、商人が物貨を藩外で仕込む時とである。この時は御
掛屋という役所が立っていて、そこで引換をする。尤も銭のみでなく、金銀をも渡した。....
「電車と風呂」より 著者:寺田寅彦
などというものが出来るという人がある。一応|尤もらしく聞える。何とかいう芝居で鋳
掛屋の松という男が、両国橋の上から河上を流れる絃歌の声を聞いて翻然大悟しその場か....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
た。 「佐平次どん――てったけのう、お前さんは。」 「へえ佐平次でございます、鋳
掛屋の佐平次でございますへえ。」 「犬が見つけたてなあどういうわけですい。」 「....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
たのが兄貴の世話で淡島屋の婿養子となったのだ。であるから、金が自由になると忽ちお
掛屋(今の銀行業のようなもの。)の株を買って、町人ながらも玄関に木剣、刺叉、袖が....
「巷の声」より 著者:永井荷風
折々天秤棒を肩にして、「鋏、庖丁、剃刀研ぎ」と呼《よば》わりながら門巷を過るが鋳
掛屋の声はいつからとも知らず耳遠くなってしまった。是れ現代の家庭に在っては台所で....
「澪標」より 著者:外村繁
毎回出席した。トルストイの「闇の力」、チエホフの「熊」、「桜の園」、シングの「鋳
掛屋の婚礼」、シュニツラーの「臨終の仮面」、それに武者小路氏の作品等を朗読したこ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
けだった。 山中五里。――その夜の泊りも、ひどい山宿だった。雨露をしのぐだけの
掛屋根、莚があるだけの猪小屋。 もっとも、十六夜日記の筆者が、この山中に宿った....