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「掛物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掛物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片恋」より 著者:芥川竜之介
がある。何しろYの事だから、床の間には石版摺《せきばんず》りの乃木《のぎ》大将の掛物がかかっていて、その前に造花《ぞうか》の牡丹《ぼたん》が生けてあると云う体裁....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
り付けて、ときどきには旨い儲けもあるらしいんです。その万助の奴がどこからか探幽の掛物を買い込んだという噂を聞いて、だんだん調べてみると、それがおまえさん、鬼の図....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
手で、枝ぶりをちょっと撓めた形は、悠揚として、そして軽い手際で、きちんと極った。掛物も何も見えぬ。が、唯その桔梗の一輪が紫の星の照らすように据ったのである。この....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来たのかと思うと、かれは一向に見向きもしないで、床の間にかけてある紙表具の山水の掛物に手をかけた。それを掛けかえるのかと見ていると、そうでもないらしかった。かれ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
爾。落着かない坐りようをしているから、火鉢の角へ、力を入れて手を掛けながら、床の掛物に目を反らす。 主税は額に手を当てて、 「いや、恐縮。ですが今日のは、こり....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、ここでゆっくりと絵絹や画仙紙をひろげることになると、伝兵衛も自分の家の屏風や掛物は勿論、心安い人々をそれからそれへと紹介して、澹山のために毎日の仕事をあたえ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「おまえさんに少しお願いがあるんですがね」 かれは道具屋の惣八という男で、掛物や色紙短冊も多年取りあつかっている商売上の関係から、ここの家の門を度々くぐっ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に成功しなかった。 そのうちに、張の家で客をまねくことがあって、座敷には秘蔵の掛物をかけた。それは宋の徽宗皇帝の御筆という鷹の一軸である。酒宴が果てて客がみな....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
マの本を作るものは即ち文学製造業の稽古を始めたので、追々には書画屋の仕入れ屏風や掛物を描いたり、三越や白木をお店とする美術家先生達と一緒に多額の営業税を納めるよ....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
という興行物がありました。また戊辰戦争の後には、世の中が惨忍な事を好んだから、仕掛物と称した怪談見世物が大流行で、小屋の内へ入ると薄暗くしてあって、人が俯向いて....
浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
浮世絵画家の肉筆というものは、錦絵とはちがった別の味わいがあるものですが、こんど蒐集陳列されたものは、屏風、掛物、巻、画帖など種々な形のものがあって、しかも何しろ二百点ばかりもあったろうと....
雪柳」より 著者:泉鏡花
達磨。 花活に……菖蒲にしては葉が細い。優しい白い杜若、それに姫百合、その床の掛物に払子を描いた、楽書同然の、また悪く筆意を見せて毛を刎ねた上に、「喝。」と太....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
ぜられた。 二、三日前に立てた門松も外してしまった。床の間に掛けてある松竹梅の掛物も取除けられた。特別に親しいところへは電報を打ったが、他へは一々通知する方法....
贋物」より 著者:葛西善蔵
足掻きを続けていた惣治が、どう言って説きつけたものか、叔父から千円ばかしの価額の掛物類を借りだしたから、上京して処分してくれという手紙のあったのはもう十月も中旬....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
る代として二タンガー納めなければならん。で私は自分の舎にあってまず釈迦牟尼如来の掛物を掛け、その前に釈迦牟尼如来の仏舎利を納めてある舎利塔を置き、大きな銀の燈明....