探し求める[語句情報] » 探し求める

「探し求める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

探し求めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
知識となると、それはいつも表面《うわべ》にあるものだと僕は信じる。深さは、真理を探し求める渓谷にあるのであって、その真理が見出される山巓《さんてん》にあるのでは....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
たり、丹念にボールトをはずして電動機を解体したりなぞやっていました。それでも彼が探し求めるものはないらしい様子で、遂には機械の中に棒立ちとなったまま、当惑顔にう....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
兵書を張良に授けた。 「この書をよめば帝王の師となることが出来る。後日にわたしを探し求めるならば、穀城山下の黄いろい石がそれである」 いわゆる黄石公である。張....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
トーフは自らの哲学を文芸評論的なものと考え、又その文芸評論は、文芸において哲学を探し求めるものだと云う。シェストーフの哲学が即ちそのまま文学である所に、シェスト....
生あらば」より 著者:豊島与志雄
「あたしもうすっかりいいような気がするわ。」 と光子は云った。それから何かを探し求めるような風《ふう》で一寸言葉を切ったが、また云った。 「よくなったような....
子を奪う」より 著者:豊島与志雄
そして何にも尋ねなかった。幾代もそれ以上何とも云わなかった。 依子は別に母親を探し求める風もなかった。幾代や兼子や女中達と面白そうに遊んでいた。玩具に倦きると....
立枯れ」より 著者:豊島与志雄
き詰ってきたこと、それだけのことだった。中江はその中に当面の問題を探し求めたが、探し求めるところに問題のありようはなく、結局、何かしらもやもやとしたものから眼を....
偶像に就ての雑感」より 著者:豊島与志雄
しくは痴人かだ。更に眼を挙げて周囲を見廻すがいい。そして吾が同胞の国民性は何かと探し求める時、先ず吾々の眼に映ずるものは、皆卑小な浅薄な小怜悧なものか、もしくは....
父母に対する私情」より 著者:豊島与志雄
はぼんやりと下宿の室に籠っていて、夜になるとのこのこ出かけてゆき、都会の暗い穴を探し求めるような気で、酒を飲んだり彷徨したりした。最も多く狂人に出逢ったのも、最....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
刑囚最後の日』の観念を書物のなかから取ってきたのではない。著者は観念をそう遠くに探し求める習慣をもってはいない。著者が本書を思いついたのは、誰でもみなが思いつき....
立札」より 著者:豊島与志雄
文を遙か高いところへ持上げ、彼に英雄めいた風格を与えることとなりました。彼の姿を探し求める眼差が、町の至る所に光っていました。 朱文はそれを避けてか、青布の苦....
白蛾」より 著者:豊島与志雄
まって、没理性的な美しさとして心に残りますと、もういつしか、彼の方から彼女の姿を探し求めるようになっていました。 会社へ通勤のための日暮里駅までの彼の往復が、....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
、彼が自分の周囲を眺める時には、明かにそれは自分を永い間取囲んでいた堅固な城壁を探し求めるためであったのだ。一同が中庭まで来ると、彼は、吊上げ橋のあるのを予期し....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
味あるものだと思う。絶望の果てに決行されるこうした行為の裏面に、世間の人が極って探し求めるような大きな破綻は、一つとして述べられていない。かえってこの手記は人生....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
に「自由法」を主張して結局その目的を達した暁に、再び「自由」と「公平」との保障を探し求めるようでは何にもなりません。われわれの求めるところは「自由」や「公平」の....