探り足[語句情報] »
探り足
「探り足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
探り足の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
後は闇々黒々、身を動かせば雑多な浮流物が体に触れるばかりである。それでも自分は手
探り足探りに奥まで進み入った。浮いてる物は胸にあたる、顔にさわる。畳が浮いてる、....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
がって、一尺の歩幅で行くところを、八寸にも七寸にも縮めて、ウジウジと意気地なく、
探り足をしいしい歩きはしまいかということを、どれ位恐れているでございましょう。 ....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
じた。縋《すが》る者もない彼は、脇に抱えた縞木綿の風呂敷包みをしっかりと持って、
探り足で歩いた。国から持ってきた「狙仙」の軸を金に代えようとして行くのである。鈍....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
る知恵者の計画に属することである。われら地なるものはかかる問題についてはとうてい
探り足であることを免れ得ない。しかし不断に探り求むべきである。死にいたるまで。わ....
「追憶」より 著者:宮本百合子
の緊張で、犬っころの様な身震いをした。 足の裏の千切れて仕舞いそうなのを堪えて
探り足で廊下の曲り角まで行くと右側の無双窓の閉め忘れた所から吹き込む夜の風が切る....
「囚われ人」より 著者:豊島与志雄
怪にも、天井の電灯がふっと消えた。室内は闇にとざされた。 寸時の躊躇の後、私は手
探り足探りで、窓の方へ近づいて行った。窓口が、仄かな明るみで浮き出していた。窓か....
「百物語」より 著者:岡本綺堂
った。勿論、そのあいだの五間にはともしびを置かないで、途中はすべて暗がりのなかを
探り足でゆくことになっていた。 「一体、百ものがたりという以上、百人が代るがわる....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
竈があって、そのそばには幾束の高粱が積み重ねてあることを知っているので、堀部君は
探り足でその方角へ進んで行くと、切株の腰掛けにつまずいて危うく転びそうになったの....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
一帯は溝渠が開いて水が深く、私と松どんとは、じゃぶじゃぶと川の中でも歩くように、
探り足をしては進んで行くと、何んだか、頭の頂天の方で、シュッシュッという音がする....