探る[語句情報] »
探る
「探る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
探るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
え考え、徐《おもむろ》にこう云った。それから鼻眼鏡の位置を変えて、本間さんの顔を
探るような眼で眺めたが、そこに浮んでいる侮蔑《ぶべつ》の表情が、早くもその眼に映....
「或る女」より 著者:有島武郎
を算《かぞ》えながら、ふと内田の最後の言葉を思い出したのだった。物のない所に物を
探るような心持ちで葉子は人力車を大塚のほうに走らした。
五年たっても昔のままの....
「星座」より 著者:有島武郎
るとばかり思っていたその人は、潤《うるお》いの細やかなその眼をぱっちりと開けて、
探るように彼を見ているのだった。渡瀬はこの不意撃ちにちょっとどぎまぎしたが、すぐ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、」 「大束を言うな、駈落の身分じゃないか。幾干だっけ。」 と横へ反身に衣兜を
探ると、め組はどんぶりを、ざッくと叩き、 「心得てら。」 「お前に達引かして堪る....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
て襟のホックをうるさそうと私の記憶に残っている。 君は座につくとぶっきらぼうと
探るように私の顔を見つめた。明らさまに言うと、その時私は君をいやに高慢ちきな若者....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
か思召しにかなった場所はなかろうかと、心して捜すと、いくらもあります。これは陸で
探るより、船で見る方が手取り早うございますよ。樹の根、巌の角、この巌山の切崖に、....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。それが彼女の強い主観なのです。 問。そう解っていれば、被告は何もいらいら彼女を
探ることはなかったのではないか。 答。人間は他人の主観の中に、けっして安息してい....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ざらざらと雲が乱れる。 山路に草を分ける心持は、水練を得たものが千尋の淵の底を
探るにも似ていよう。どっと滝を浴びたように感じながら、ほとんど盲蛇でまっしぐらに....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の想像以上である。今や世界の随所に真理の中心が創設せられ、求むる者に慰安を与え、
探る者に手懸りを与えつつある。現代とても在来の経典を以て満足し、更に一歩を進めて....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
め去らんとする者あり。肌へ着けたりとて油断ならずと懐中へ手を差し入れて彼の胴巻を
探るに、悲しやある事なし。気絶して其所に倒れんとするほどになり、二階に駆け上りて....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
と、ことづかりましたんで、へい、めっきりお暑うございますな、」といいながら、袂を
探ると白地の手拭を取出して額を拭った。 「はあ、何、それはわざわざ。」 「実は母....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
けて、多津吉の眉の前へ、白い腕を露呈に、衝とかがみ腰に手を伸ばして、ばさりと巣を
探る悪戯のように――指を伏せても埒あく処を――両手に一つずつ饅頭を、しかし活もの....
「妖怪学」より 著者:井上円了
突然火を発するを見たり。また、ある人、夢に盗賊の室中に入りて、手に燭を取り物品を
探るを見、翌朝これをその母に語る。母曰く、「これ、わが前夜ろうそくを取りて室中に....
「迷信解」より 著者:井上円了
の助けとせよ』と。僕、大いにその厚意を謝す。すでにして僕、楼上にのぼりて床の間を
探るに、果たして紙包みと折り詰めあり。紙包みを開き見るに、その中には木の葉あるの....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
はなはだ頻繁なり。十一時半、コペンハーゲン市に着船す。税関の検閲を終わりて旅店を
探るに、たいていみな空室なし。一時後ようやく入宿す。 七日、晴れ。終日市内を散....