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「掣肘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掣肘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
聞いたにちがいない。それが暗示となって青扇の心にいままで絶えず働きかけその行いを掣肘《せいちゅう》して来たのではあるまいか。青扇のいままでのどこやら常人と異った....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
的色彩を帯びておりました。アレキサンダーの戦争、シイザーの戦争などは割合に政治の掣肘を受けないで決戦戦争が行なわれました。 ところがローマ帝国の全盛時代になり....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
道徳かという問題ではこの第二の善悪道徳主義の常識が妨害を試みる。吾々はこの常識を掣肘しなければ、道徳を理論的に取り扱うことが出来ない。 この第二の常識的惰性に....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
しさには、追使われたうえ気兼苦労|而已《のみ》をしていたのが、今日は外《ほか》に掣肘《ひかれ》る所もなく、心一杯に勉強の出来る身の上となったから、ヤ喜んだの喜ば....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
て、我々の様子を吹聴しましたら、いささか困りものにございます」 「と云って旅人を掣肘《せいちゅう》して、旅をするなとは云えないではないか」 「ともかくもどういう....
田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
客間で、女主人の出て来るのを待ち受けた時と同じではないか。人間の記憶は全く意志の掣肘《せいちゅう》を受けずに古い閲歴を堅固に保存して置くものである。そう云う閲歴....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
り始めた。そこで人々は諦め顔にこう定義する、「商業主義にもとづくジャーナリズムの掣肘」を「全然うけまいとする文学」が純文学なのだ、と。 だが文壇という組織は本....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
物語っている。――文化の向上の名に於て、文化活動や政治運動や経済的職業的利益が、掣肘され制限されることが「文化統制」の意味なのである。 文化統制は日本のように....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
駒井の目的の全部ではない。むしろ船は便宜の道具であって、求むるところは、何人にも掣肘《せいちゅう》せられざる、無人の処女地なのです。無人の処女地を求め得て、そこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れば行き、止まらんとすれば止まる自由行動を、未《いま》だ曾《かつ》て何人のために掣肘《せいちゅう》されるほどの負目《おいめ》を持っていない米友が、なぜか、このお....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
のお菊殿から云えば、自分一人だけの勝手の用事も、自らあろうというもので。そこまで掣肘をなさるのは、少しく横暴でござりますよ」 ――と、このように云うことによっ....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
りを瀰漫させておる。……老中、若年寄、大目附、内閣は組織されていても、田沼一人に掣肘されて、政治の実は行われていない。……こういう時世には私のような男が、一人ぐ....
翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
の管轄でもなく、まぎれもなく詩人の役目なのであるが、国語そのものから来る致命的な掣肘《せいちゅう》によってその肝腎の詩の発達が阻害されている現状では、よろしく創....
熱情の人」より 著者:久保栄
ったが、これは左団次以下、同劇団の名において結束した俳優が、商業劇場の興行政策に掣肘せられるの余儀なきにいたった結果であって、かつて先生の指導鞭撻を受けた猿之助....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
る事が必要であると考える。すなわち人類の精神的生活が向上して無益なる浪費を自然に掣肘し、かつ科学の進歩が生活物資の生産能率を高むる事が必要であって、物欲のための....