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「接する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

接するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
れも当惑に似た感じを味わないではいられなかった。殊に彼を尊敬する一団の若者たちに接する時は、ほとんど童女にでも似つかわしい羞恥《しゅうち》の情さえ感じ勝ちであっ....
或る女」より 著者:有島武郎
さわった。自分に対してすべての人が普通の人間として交わろうとはしない。狂人にでも接するような仕打ちを見せる。だれも彼もそうだ。医者までがそうだ。 「もう用はない....
星座」より 著者:有島武郎
んと面と向って、その清々《すがすが》しい心の動きと、白露《はくろ》のような姿とに接すると、それを微塵《みじん》に打ち壊そうとあせる自分の焦躁が恐ろしくさえあった....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
んか。私はもう人に笑われてもかまいませんの」 困った事になった。二人の関係が密接するほど、人目を恐れてくる。人目を恐れる様になっては、もはや罪悪を犯しつつある....
婦系図」より 著者:泉鏡花
に、差向いでされたので。 椅子と椅子と間が真に短いから、袖と袖と、むかい合って接するほどで、裳は長く足袋に落ちても、腰の高い、雪踏の尖は爪立つばかり。汽車の動....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
れさえも茫となる。 その目に、ひらりと影が見えた。真向うに、矗立した壁面と、相接するその階段へ、上から、黒く落ちて、鳥影のように映った。が、羽音はしないで、す....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
思議な位でございました。 兎に角日頃ただ一人山の中に閉じこもり、めったに外界と接する機会のない私にとりて、斯うした少女との不意の会合は世にももの珍らしい限りで....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の絶対性を否定する者は、まさしく魔王の所為に相違ないと。 われ等はかかる論法に接する時に、心から憮然たらざるを得ない。それ等の論者は多くは皆愛と熱とに富める立....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
いっているが、決して単なる江戸趣味の小天地に跼蹐しているものではない。私は日常応接する森羅万象に親しみを感じ、これを愛玩しては、ただこの中にプレイしているのだと....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
てから再び静電気の研究に戻った。 「先ず電気は導体の表面に在るのか、または導体と接する媒介物(絶縁物)の表面に在るのか」という問題から始めて、ガラスのような物を....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、相手が、 「あ、院展でしたな、そう、そう院展の……」 明らかに狼狽した返答に接すると、こいつは……と考えざるを得なかった。 雑談数刻、風呂がわいたという知....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
へざぶりと一波浴せたが、あわよく手先がかかったから、船は人とともに寄って死骸に密接することになった。 無意識に今|掴んだのは、ちょうど折曲げた真白の肱の、鍵形....
可愛い山」より 著者:石川欣一
名を雨飾山といい、標高一九六三米。信州の北境、北小谷、中土の両村が越後の根知村に接するところに存在する。元より大して高い山ではないし、またいわゆる日本アルプスの....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
によるに、その信徒は北海道および奥羽地方に最も多しという。北海道はロシアの国境に接するの地にあらずや。その人民、もしことごとくロシア国教宗を固信し、ロシア皇帝を....
西航日録」より 著者:井上円了
洋諸邦の形勢を写出せるがごとし。しかるにシンガポールに至り、はじめて本邦の山水に接するの思いをなす。ただ清流に乏しきを遺憾とするのみ。ときにまた一作あり。 船泊....