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接収
「接収〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
接収の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の元の先生)を岡東のうちへ世話して間借に及んだところ、このほど岡東の家が進駐軍に
接収されることになり、二月十二日までに立退きを命ぜられ、上を下へのさわぎなり。友....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
歌を唱《うた》いながら贈物を次々に運び入れる。其等は一々高く振上げて衆に示され、
接収役が鄭重《ていちょう》な儀礼的誇張を以て、品名と贈呈者とを呼び上げる。この役....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
るようにたのんだ。校長は工廠に責任をゆずり、工廠は、工廠所属のすべての建造物は、
接収されるまでは市に移管されていると説明した。市役所へ、教員たちが行ったらば、市....
「日記・書簡」より 著者:宮本百合子
は違うでしょう。 「いやそうです。然しですな地価が上ったからと云って、農民には直
接収入の増加とはなりません。従って、実力以上の負担を負うのは気の毒ながら何とかし....
「悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
、大元は一つのものだ。代理販売部までもある。進駐軍関係の委託の仕事が、最近先方に
接収されてしまったので、人員はだぶついている。午の休憩時間は、二時頃までだらだら....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
温泉に住んでいた。伊東には川奈に日本一のゴルフ場がある。もっとも、当時は占領軍に
接収されていて、日本人は立入ることができなかった。 私の住居から百メートルぐら....
「魔都」より 著者:久生十蘭
山木の水の手を切って置き、あいつの借用証書を買い集めて強制執行をかけ、厭なら実力
接収と脅かして二束三文に叩いてしまおうてえのだ」
「それで、現物《もの》はどこに....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
たしは掛けながらでたらめをいった。 「うちでもいよいよ武装解除か。あのピストルは
接収されるんでしょう。もう射撃会《ショッティング》にも行けないんだね」 「敗けた....
「東京宝塚劇場の再開に憶う」より 著者:小林一三
態に立ちいたりました。 次いで終戦となり、昭和二十年十二月廿四日に進駐軍のため
接収され、比島戦線にて活躍して散った米国の新聞記者のアーニイ・パイルの名を冠した....
「望郷」より 著者:服部之総
図書館まえの大街路樹、おばけのような柳とエルムも、土地生えぬきのものだったのだ。
接収されて「アーニー・パイル」と名づけられた東京宝塚劇場は、ちかく解除になっても....
「富士屋ホテル」より 著者:古川緑波
中、僕は、富士屋ホテルで、幾度か夏を過し、冬を送ったものだった。それが、終戦後、
接収されて、日本人は入れなくなってしまった。そして又、それが一昨年の夏だったか、....
「三国志」より 著者:吉川英治
を移していたが、やがてこう切り出した。 「赤壁の大戦の後、わが呉侯から荊州の地を
接収に参ったとき、劉皇叔には、※君も世を去ったことゆえ、もうこの荊州は、呉へお返....
「三国志」より 著者:吉川英治
いたので、孫権もついに肚をきめて、伊籍からの交渉を全部容認し、ふたたび魯粛を荊州
接収のため現地へ派遣した。 荊州の領土貸借問題は、両国の国交上、多年にわたる癌....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
令されるなど陸海軍正反対の注文を受けたりした。 そして終戦。外地の工場はすべて
接収され、国内でも半分以上が焼失した。私は残った工場と従業員たちで、軍から払下げ....
「押入れ随筆」より 著者:吉川英治
いち、日本の旧習では、家に塗料をほどこすことを、きらッていた。これは、たくさんな
接収住宅が、無知な外人に、滅茶をやられたので、なおさらカンにさわっている。けれど....