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接木
「接木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
接木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
い。人間は、ちょうどよい工合に一人が千年に一人ぐらい子供を産むことになる。これは
接木や挿木をくりかえして来た蜜柑には種子がなくなると同じである。早く死ぬから頻繁....
「祇園の枝垂桜」より 著者:九鬼周造
れとも知らない彼らみんなの幸福を心のしん底から祈らずにはいられない気持になった。
接木をしたとかいう老桜よ、若返ってくれ。いつまでも美と愛とを標榜して人間の人間性の守護神でいてくれ。....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
りますが、それよりももっと重大なこと……何と云ったらいいでしょうか……この生活の
接木ということ、一方に節子が生きているのに、そして僕達の――僕と節子とです――僕....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
人諸君、ここに第二の忠告がある。曰《いわ》く、決して結婚するなかれ。結婚は一つの
接木《つぎき》である。うまくもゆけば、まずくもゆく。そういう危険は避けるがよい。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
女だと言ってもだれも本当にしなかったかも知れない。まず娼婦《しょうふ》が土方女に
接木《つぎき》してできたというくらいのところだった。口をきいてるのを聞くと憲兵か....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とだった。彼らは賢者のような態度をとった。絶対過激なる主義に一つの穏和なる権力を
接木《つぎき》しようとした。破壊的自由主義に保守的自由主義を対立させ、しかも時と....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
語のうちの一言語であり、一種の病的な瘤《こぶ》であり、一群の植物を生じた不健全な
接木《つぎき》であり、古いゴールの幹のうちに根をおろし言語の方面にすごい枝葉をひ....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
常に支持しあうものである。それを忘れてはいけない。『犯罪論』は『法の精神』の上に
接木《つぎき》されたものである。モンテスキューはベッカリアを生んだ。 理性はわ....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
るのである。 かような智能の小児麻痺的錯倒から、終戦となり、民主主義。いきなり
接木に健全な芽が生えてスクスク成長するはずのあるべきものじゃない。今日、すでに戦....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
、憎しみ、卑しめ、蔑んでいたのだ。 あなたのクズレた甘さときては、全然不手際な
接木のように、だしぬけに猫の鳴声のような甘え方を見せるのだ。その白痴めく甘さと、....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
句 (1) 凡そ現代人ほど生活を愛し、生活に興味をもつ者は無い。昔の俳句にも
接木とか麦蒔とか人事句は沢山あるが、夫等は人間を配合した季題の面白味を主としたも....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
食事したりしていられた。家は傾ききっていた。 恭一君は学問よりも実地がうまく、
接木などでも彼がすると皆ついた。 中学時代から酒を飲むと伯父や兄のようになるの....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
っても、枳殻であっても、それは深く問うところではない。斉しく温州蜜柑を以てこれに
接木したならば、ことごとく温州蜜柑の甘美な果実を結ぶ。その培養の方法や、台木の性....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
にも書いてあります通り、枳殻や、柚子や、橙や、いろいろの柑橘類が、みな温州蜜柑の
接木によって、ことごとく温州蜜柑になってしまっているのです。もっともその出来上っ....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
して差し支えないような句が多うございました。その一、二の例をいうと、 生きて世に
接木上手とほめられき 紫牛 生きて世に女ならばや京の春 亨夫 の類であります....